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えむえむ連続講座
京都国際マンガミュージアムでは、マンガ文化の持つ多様な側面と可能性を紹介し、マンガの更なる発展と様々な領域での活用を促進するため、さまざまな分野における第一人者を講師に招き、定期的に「えむえむ連続講座」を開催しています。 第7回目となる今回は、昭和30年代、多くの人に愛された「貸本屋」で扱われたマンガをテーマとして、当ミュージアムの研究顧問であり、自らも貸本屋を営み、研究家、稀代のマンガファン・コレクターとして、個人で18万点のマンガを収集した内記稔夫氏が独自の手法によって「貸本」というマンガとその文化を解き明かします。
漫画本がまだ高価であった昭和30年代を中心に、子どもたちをはじめ、一般の人々が安価で漫画本等を借りて読むことのできる「貸本屋」が全国にあり、大繁盛していました。当時は、この貸本屋向けに出版されていた雑誌や単行本が多くあり、例えばマンガ「ゴルゴ13」で有名なさいとう・たかを先生などによるいわゆる「劇画」は、この貸本の中から登場したジャンルでした。しかし、この貸本は奥付が不完全なものもしばしばあり、いつ出版されたものかわからないものも多いというマンガ研究者泣かせの特徴も有しています。 今回は内記稔夫氏が、貸本屋としての、また漫画研究家としての経験を生かして貸本を分析し、自ら編み出した法則化された年代測定法を、具体的な作品をもって解説いたします。
内記 稔夫 氏 プロフィール |