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「アンケ・フォイヒテンバーガーと 国際的なマンガの最新の状況もご紹介してきました「京都国際マンガミュージアム」でこのたび、現代ドイツを代表するコミック・アーティスト、アンケ・フォイヒテンバーガー氏らの作品をご紹介する「アンケ・フォイヒテンバーガーとドイツ・オルタナティブ・コミックの世界」展を開催いたします。 日本に居住するわたしたちは、しばしばマンガに「絵説き」のイメージを持っています。つまり、絵と言葉を用いてわかりやすくストーリーを描いているのがマンガ、ということです。しかし、数あるマンガの中には、「わかりにくい」がゆえに面白い作品、さらには、わかるかどうかではなく、ただひたすら「感じる」ことだけを求める作品もあります。 このように、限定された「マンガ」というイメージやフォーマットの枠組みを超えて、その楽しみ方の幅を広げる“実験”を続けている作品たちが、「オルタナティブ・コミック」と呼ばれるものです。 ドイツ語圏のマンガ市場では、このオルタナティブ・コミックを得意とするユニークな作家たちが数多く輩出されてきました。ドイツでは、日本の「少年/少女マンガ」のように、特定のジャンルが区分される形で発展するというより、個々人の作家性が尊重される傾向にあります。そのことが、オルタナティブ・コミックを生み出す基盤となる多様性を担保しているのでしょう。 今回ご紹介するのは、それらの中でもとりわけ自由で新鮮なオルタナティブ・コミックです。日本ではなかなかお目にかかることのできない、現代ドイツが生んだ、「マンガ」を超えた「マンガ」の姿の一端を、どうぞお楽しみください。 なお、出品される作品の一部は、フォイヒテンバーガー氏らの11月16日~26日の京都滞在中に描かれた出来立ての作品です。その「アトリエ」として、展覧会開催前のギャラリーを使っていただきます。うまく時間帯が合えば、氏による作品制作現場を間近でみていただくこともできます。 あわせて、本展開催中に、大学で教鞭もとられているフォイヒテンバーガー氏による、ドイツ・コミックに関する講演会を開催いたします。こちらもどうぞご期待ください。
アンケ・フォイヒテンバーガー (Anke Feuchtenberger) |