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京都国際マンガミュージアム特別展
明治日本のギャグマスター 暁斎漫画展
幕末・明治維新の激動期は、ヨーロッパの「諷刺漫画」に学びつつ、古くからある「戯画」が「漫画」という新たなメディアとして大きく成長をとげた「日本漫画のあけぼの」というべき時代でした。まさにこの時代に戯画・漫画のトップランナーとして活躍した絵師・河鍋暁斎(1831~89)は、日本人が発行した最初の諷刺漫画雑誌『絵新聞日本地』をはじめ、従来の枠にとらわれない作品を数多く残しました。狩野派の流れを受けながら、他の流派・画法も貪欲に取り入れた、その筆力・写生力は群を抜いており、海外でも高く評価されています。
本展では、暁斎の漫画家としての顔にスポットをあて、たしかなデッサン力と型破りの奇想によって生み出された戯画・漫画作品の数々をお楽しみいただきます。明治日本に炸裂した、暁斎のギャグ爆弾をどうぞご体感ください。
展示内容
- 錦絵(多色刷り木版画)作品:総数46点
(会期前半と後半で展示替を行い各23点展示)
- 肉筆画作品: 総数36点
- 書籍資料:総数8点(会期前半と後半で展示頁を替える)
- 暁斎デザインの筆洗など立体作品:3点
開催期間 |
2008年 4月8日(火)~ 5月11日(日) |
会 場 |
京都国際マンガミュージアム 2階 メインギャラリー |
入場料 | 大人1,000円、中高生500円、小学生200円
※ この料金には、常設展示への入場料を含みます。 〔大人500円、中高生300円、小学生100円〕
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主催: 京都国際マンガミュージアム
共催: 財団法人河鍋暁斎記念美術館
ギャラリートーク |
日 時 |
2008年 4月10日(木)、17日(木)、24日(木)、
5月1日(木)、8日(木)
午後 1時30分~ (30~40分程度)
※特別展会場 入口前にご集合ください
特別展会場は再入場ができませんので、会場に入らずお待ちください
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参加費 |
無料 (申込不要) ※特別展入場料は別途必要です |
内 容 |
4月 10日、17日
「えむえむ文化講座 日本漫画の源流をたずねて」でもおなじみの橋本初子先生が、江戸文化の視点から暁斎の漫画の魅力についてわかりやすく解説いたします。
4月 24日、5月 1日、8日
本特別展を構成しました当館研究員の表智之が、暁斎の漫画の特徴や当時の社会背景、現代マンガとの共通点について詳しく解説いたします。
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橋本 初子(はしもと・はつこ) 氏 プロフィール
滋賀県大津市生まれ。日本史家。文化庁の文化財調査のため各地の文化財を調査。京都国立博物館嘱託、京都府立総合資料館歴史資料課主任を経て、現在は京都精華大学名誉教授。東寺、醍醐寺の古文書をはじめ、中世から近世の多数の古文書調査・目録作成を手がける。綿密な史料分析によって、日本史をわかりやすく、楽しく読み解いていく講義には定評がある。著書に『中世東寺と弘法大師信仰(思文閣史学叢書)』[第13回角川賞・第36回密教学芸文化賞受賞]など。
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記念対談 「漫画家・暁斎ここにあり!」 |
記念対談は終了しました |
講 師 |
狩野 博幸 氏 (同志社大学文化情報学部教授)
河鍋 楠美 氏 (河鍋暁斎記念美術館館長) |
日 時 |
2008年 4月27日(日) 午後 1時~ 2時30分 |
会 場 |
京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1 |
聴講料 |
無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です |
定 員 |
50名、申込不要、先着順 |
内 容 | 当時の人々には絶大な人気を誇り、欧米では高い評価を受けながら、「日本美術史」ではなぜか扱いの小さい不遇の天才・河鍋暁斎。「美術」の枠におさまりきらない暁斎の奔放な魅力を解き明かします。 |
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いまから120年以上も昔、明治日本にこんな過激なギャグ漫画家がいた!
狩野派の絵師としての確かな筆力を武器に、縦横無尽に世の中を笑いのめしたギャグマスター
河鍋暁斎の魅力を、70点以上におよぶ錦絵や肉筆画でご体感いただきます。
ハチャメチャやっているようにみえて、実は暁斎はテクニシャン。写生や習作を積み重ね、ものの構造をきちんと捉えているのです。ギャグは一日にして成らず!
政治の話が小難しいのは、今も昔も同じです。おカタいニュースを笑い飛ばす、これぞ明治のワイドショー!
画面から飛び出てくる ようなド迫力。一度見たら忘れ ない、味付け濃い目の顔・顔・顔。 混乱の世相に叩きつけるよう に、暁斎の筆は“ありえねー!” の嵐を巻き起こします。
ふてぶてしいカエル、能天気なコウモリ、にやけ顔の妖怪たち……
暁斎の筆の先から魔法 のように生み出される、 ひとくせありげな「キモ カワイイ」面々です。