えむえむ連続講座
第18回:「これでいいのか? マンガの<展示>」
京都国際マンガミュージアムでは、マンガ文化の持つ多様な側面と可能性を紹介し、マンガの更なる発展と幅広い領域での活用を促進するため、さまざまな分野における第一人者を講師に招き、定期的に「えむえむ連続講座」を開催いたします。
講 師 | 夏目 房之介 氏 (マンガ・コラムニスト/学習院大学教授) |
日 時 | 2008年8月24日(日) 午後1時~2時30分 |
会 場 |
京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール |
参加料 |
無料 |
定 員 |
80名、申込不要、先着順 |
今回は、人気番組「BSマンガ夜話」のレギュラー解説者など各方面でご活躍のほか、2008年4月からは学習院大学で教鞭もとられているマンガ・コラムニストの夏目房之介氏をお招きし、マンガの面白さを<展示>できるか?というテーマでお話をうかがいます。
マンガをテーマとした展覧会や博物館は、今や決して珍しいものではなくなりましたが、マンガの面白さをダイレクトに伝えられるような効果的な展示方法は、まだ試行錯誤の段階にあります。原画を主体とした美術館的な展示や、作者のプロフィールや制作過程にスポットをあてた個人記念館の展示も、マンガをより深く楽しむ上で大いに役に立ちますが、実際に本でマンガを読むこと以上の面白さを演出できているとは、必ずしも言えないでしょう。
夏目氏は、「BSマンガ夜話」の人気コーナー“夏目の目”でおなじみの通り、そのマンガがなぜ面白いのか?について、作画技術の面から解き明かしてこられました。ビジュアル表現としてのマンガの面白さの本質を追求してこられた夏目氏の目からみて、これまでのマンガ展覧会はどう評価されるのでしょう。マンガの魅力をきちんと伝えられているでしょうか? あるいは、どんな工夫をすれば“マンガのように面白い”展示になるのでしょうか? 今回の講座では、当館も含めたこれまでのマンガ展覧会・博物館の例を素材として、マンガの<展示>がいかにあるべきかを考えていきます。
夏目房之介 (なつめ・ふさのすけ)
1950年、東京生まれ。青山学院大学史学科卒。72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。夏目漱石の孫。1999年、第3回手塚治虫文化賞特別賞を受賞。2008年4月より学習院大学大学院人文科学研究科身体表象文化学専攻の教授も務める。著書に『マンガはなぜ面白いのか-その表現と文法』(日本放送出版協会)、『孫が読む漱石』(実業之日本社)ほか多数。