原画´(ダッシュ)展示シリーズ
竹宮惠子 幻の紙芝居『千夜一夜物語』展
京都国際マンガミュージアムでは、世界に通用する日本マンガの魅力を可能な限りありのままの形で後世に伝えるため、極めて原画作品に近い複製<原画´(ダッシュ)>を作成するプロジェクトを進めてまいりました。
原画´(ダッシュ)を活用した「原画破損・紛失の恐れがない展覧会」も積極的に行い、毎年夏には東京新宿・紀伊國屋画廊で展覧会を開催しております。今夏には、竹宮惠子が描き下ろしたオリジナルストーリーの紙芝居『千夜一夜物語』を、原画´(ダッシュ)にて公開する展覧会を開催し、好評を博しております。この新宿展の好評と、京都での開催を望まれるファンの皆様の声にお応えして、このたび当館での巡回開催を行うこととなりました。
この紙芝居は、1977年に西武百貨店渋谷店にて開催された「寺山修司の千一夜アラビアンナイト展」のために、寺山氏と親交のあった竹宮が描き下ろしたもので、その展覧会会場では、劇団天井棧敷によって口演されていました。その後、いくつかの雑誌でその一部が紹介されたのみ、その全貌はその時以来公開されたことのない、まさに「幻」と呼ぶにふさわしい作品です。30年以上の時を経て、その美しい色彩と、官能的な物語が、原画´(ダッシュ)により再びよみがえります。展覧会期間中には、ヤッサン一座による口演イベントも企画しております。官能的なアラビアンナイトの世界をぜひご堪能ください。
期 間 | 2008年10月23日(木)~11月9日(日) |
会 場 | 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー4 |
料 金 | 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です |
展示内容 |
|
協力 : | 企画工学研究所ロジック 大澤 由喜 (寺山修司関連資料協力) |
関連イベント | |
ヤッサン一座による大人の紙芝居口演 『千夜一夜物語』 |
|
日 時 | 2008年10月26日(日) 午後4時30分~ (約20分) |
会 場 |
京都国際マンガミュージアム 2階 多目的研究室1[紙芝居部屋]
<お断り>
この紙芝居口演は未成年には向かないものとなっております。18歳以下の方の入場はご遠慮ください。 |
原画´(ダッシュ) について
コンピュータにマンガ原稿を取り込み、綿密に色調整を重ねた上で印刷した、精巧な複製原画です。描線の濃淡や色彩の階調など微妙な細部まで再現し、原画と並べても見分けがつかない程の精度を持っています。マンガ「風と木の詩」「地球へ…」などの作者で、京都精華大学マンガ学部教授の竹宮惠子が中心となって研究を進め、退色しやすいデリケートなマンガ原稿の保存と公開を両立させるために開発しました。
竹宮惠子(たけみや・けいこ) 氏 プロフィール
徳島県出身。1967年『COM』月例新人賞佳作入選を経て、翌年『週刊マーガレット増刊』掲載の「りんごの罪」で本格デビュー。「花の24年組」の一人として新世代の少女マンガをリードし、「風と木の詩」「地球へ…」の2作品で1979年度小学館漫画賞を受賞。