終了しました

シンポジウム「マンガは越境する」

シンポジウム「マンガは越境する」イメージ

 京都国際マンガミュージアムではこのたび、最新の研究成果をもって「マンガ」というメディアが、国境や文化など様々な壁を越えうる可能性を持ったメディアであることを議論するシンポジウムを開催いたします。

 複雑な表現と多様なジャンルを持った日本マンガは、現在、国内のみならず、世界中のコミック・ファンから注目を集めています。日本で人気の作品はほとんどタイムリーに海外で翻訳され、国や文化を越えた国際交流を促しており、また、日本マンガが追求した情報伝達メディアとしての可能性は、世界各地・各分野で注目されています。一方で、内容が変更されたり、年齢制限がかけられたりというように、同じ作品でも異なる文化と歴史を持った読者に出会えば、異なる読まれ方がなされるということも忘れてはならないでしょう。

 こういった状況のもと、マンガの「越境」現象には、はからずもグローバリゼーションの進む現在の世界の矛盾と可能性が反映されています。このシンポジウムでは、マンガを「ボーダーレス=境界線を消し去る」ものではなく、「境界を越える=越境する」ものと認識した上で、その可能性と限界について、マンガ学のみならず、歴史学や現代思想などの知見も踏まえて議論します。

 なお、本シンポジウムは、 福岡アジア美術館 で先に開催される、同名の連続講座で提出された論点をより深める場として設定されました。

日 時 2009年1月12日(月・祝) 午後1時~4時
会 場 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
料 金 無料
定 員 50名、申込不要、先着順
内 容
  • <第1部>

    基調講演
    「越境するメディア的起点としての1970年代マンガ」

    講師:村上知彦氏 (マンガ評論家、神戸松蔭女子大学講師)
  • <第2部>

    福岡アジア美術館で先に開催される連続講座 (※後述「関連イベント」参照) を振り返りながら、各テーマについて出演者が意見を交わします。

  1. 「国境を越えるメディアとしてのマンガ」

    出演 (五十音順以下同様)

    ○一木 順 氏 (筑紫女学園大学教授)
    ○伊藤 遊 氏 (京都国際マンガミュージアム研究員)
    ○大城 房美 氏 (筑紫女学園大学准教授)
    ○ジャクリーヌ・ベルント 氏 (横浜国立大学准教授
  2. 「グローバル化への抵抗―地方を描くと言うこと」

    出演

    ○一木 順 氏
    ○伊藤 遊 氏
    ○本浜 秀彦 氏 (沖縄キリスト教学院大学准教授)
    ○吉村 和真 氏
      (京都精華大学准教授、京都国際マンガミュージアム研究統括室長)
  3. 「歴史描写とマンガ」

    出演

    ○大城 房美 氏
    ○ジャクリーヌ・ベルント 氏
    ○本浜 秀彦 氏
    ○吉村 和真 氏
主催:

京都国際マンガミュージアム

共催: 筑紫女学園大学、日本マンガ学会海外マンガ交流部会
関連イベント

連続公開講座「マンガは越境する」

会 場 福岡アジア美術館あじびホール
(福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル8F)
内 容

第1回

「マンガが語る地方と中央―グローバリゼーションに抗して」
①日 時 2008年11月29日(土) 午後2時~4時
②講 師 一木 順 氏、吉村 和真 氏

第2回

「マンガにおける記憶と歴史―マンガが描く現代日本像」
①日 時 2008年12月13日(土) 午後2時~4時
②講 師 ジャクリーヌ・ベルント 氏、本浜 秀彦 氏

第3回

「国境を越えるマンガ―グローバルメディアとしてのマンガ」
①日 時 2008年12月20日(土) 午後2時~4時
②講 師 伊藤 遊 氏、大城 房美 氏、
金 慈恵 氏 (九州大学大学院博士後期課程)
共同主催 筑紫女学園大学、京都国際マンガミュージアム、 日本マンガ学会九州マンガ交流部会、 日本マンガ学会海外マンガ交流部会
お問合せ 筑紫女学園大学生涯学習センター
(TEL:092-925-9685)