京都国際マンガミュージアム

えむえむ連続公開研究会
「マンガと学術研究」

 マンガをテーマとする学位取得論文が増えつつある今日において、学術的なマンガ研究をめぐる、大学院生や若手研究者の交流はますます求められてきています。しかしながら、例えば、年に1回しか開催されない日本マンガ学会の大会では個別の報告を丁寧に議論する余裕がないのが現状です。

 本研究会は、実証主義的データ収集やその紹介、さらに同好の者同士の単なる趣味の確認といった狭義のマンガ論よりも、研究方法に対する自覚や批評的で複雑な思考を重視し、(マンガとマンガ以外の研究を含む)領域横断的な問題意識へと開かれた学問的交流の場を目指します。

どなたでも参加できます。

開催日時 第1回: 2009年6月14日(日) 午後3時~5時45分
第2回: 2009年7月19日(日) 午後3時~5時
会場京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
料金 無料

※ミュージアムへの入場料は別途必要です

発表内容

【第1回報告者/報告議目】

秦美香子(神戸大学大学院総合人間科学研究科人間文化科学専攻) / 誰が〈少女〉の担い手か 作品分析による受容の多様性の考察

石川優(大阪市立大学大学院文学研究科言語文化学専攻表現文化学専修後期博士課程) / テクストとしての二次創作:〈やおい〉という読みをめぐって

【第2回】

報告者:
クロティルド・サブレ/Clothilde Sabre(フランス・リール大学民俗学研究科・日本学術振興会/京都精華大学特別研究員)

報告題目:
Pop culture Tourism in Japan: Questioning manga as heritage

報告概要:
Is “heritage” an efficient concept to understand manga as a touristic object for French tourists? French fandom is a community which shares a specific fantasy about Japan, a fantasy mainly based on information about Japan they find in manga/anime. What happens when these fans come to Japan and “visit” places they link with manga culture? The presentation will be divided in four parts:
(1) Globalization and manga in France;
(2) When passion leads to tourism: fans travel (the concept of media pilgrimage);
(3) Can we speak of a “heritage-making” process?;
(4) The International Manga Museum Kyoto as a case study.
※英語での報告(ベルントによる逐次日本語通訳あり)