「グスコーブドリの伝記」と「アニメ師・杉井ギサブロー」上映記念展
~アニメーション監督 杉井ギサブローの世界~
この度、京都国際マンガミュージアムでは、宮澤賢治原作のアニメーション映画『グスコー・ブドリの伝記』の上映を記念して企画展「~アニメーション監督 杉井ギサブローの世界~」を開催します。
『グスコー・ブドリの伝記』の監督を務めた杉井ギサブロー(京都精華大学マンガ学部アニメーション学科 教授)が宮澤賢治作品を映画化するのは、1985年の『銀河鉄道の夜』以来二度目となります。本企画展では、この二つのアニメーション映画作品が、それぞれの文学作品世界をどのように描きわけているのか表現の違いをわかりやすく理解いただくため、二つの作品の美術ボードなどの製作関係資料を並列して展示します。宮澤賢治の世界観を、アニメーション表現という視覚表現に描き出すため、杉井ギサブロー監督がどのような工夫を行っていたのか、ご紹介する展示です。
7月28日公開の杉井監督の姿を追ったドキュメンタリー映画『アニメ師・杉井ギサブロー』の関連展示もございます。
この夏ぜひ、杉井ギサブローのアニメーションに対する情熱とメッセージをご体感ください。
期間 |
2012年7月26日(木)~8月19日(日) ◇午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで) ◇休館日:なし |
会場 | 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー6 |
料金 |
無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です ※8/1~31期間中、京都市民しんぶん8月号をご持参・ご提示、および所定用紙に必要事項をご記入いただくと、入場料が2割引となります。 |
主催 京都国際マンガミュージアム、京都精華大学国際マンガ研究センター
- 『グスコー・ブドリの伝記』と『銀河鉄道の夜』は共に宮澤賢治の作品を映画化したものですが、杉井監督は両作品の世界に異なるイメージを描いており、キャラクターには同一性を感じるもののそれぞれの美術設定にはとことんこだわりを持っています。美術監督を務めた2人(銀河鉄道の夜:馬郡美保子氏、グスコー・ブドリの伝記:阿部行夫氏)に主眼を置き、美術設定を見比べながらそれぞれに描いた杉井監督の表現した世界を堪能して頂きたいと思います。
- 両作品のセル画や原画や設定資料、ストップモーションのセットなどを展示します。ますむらひろし氏のデザインを元に登場キャラクターが「猫」でデザインされていますが、表情を作り上げていく中、どのようなテクニックが用いられているかなども、是非ご覧ください。
- 『アニメ師・杉井ギサブロー』を中心に杉井氏のフィルモグラフィーを展示。その時代と共に、杉井氏が世に送り出した数々の作品をご紹介します。
- 映像コーナーでは、実際の杉井監督の表情や、インタビューをご覧頂けます。
講演会「映画の世界観の描き方、美術の役割」
映画『グスコー・ブドリの伝記』の監督 杉井ギサブロー氏と美術監督を務めた阿部行夫氏をお招きし、アニメーション映画での世界観の描き方、映画美術の役割、ブドリ制作秘話など、日本アニメーション界の巨匠お二人のトークをお楽しみ下さい。
期間 | 2012年7月29日 (日) 午後2時~3時30分 (予定) |
会場 | 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール |
出演者 |
杉井ギサブロー (アニメーション映画監督) 阿部行夫 (アニメーション美術監督) |
料金 | 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です |
定員 | 200名 (先着順) |
参加方法 |
事前申込不要 ※当日、午前10時よりミュージアム館内にて整理券を配布 |
杉井ギサブロー プロフィール
1940年、静岡県生まれ。
58年、東映動画に入社。『白蛇伝』(58)、『少年猿飛佐助』(59)、『西遊記』(60)のアニメーターとして活躍した後、61年に虫プロ創立に参加。TV『鉄腕アトム』の作画や演出、『悟空の大冒険』『どろろ』の総監督などを担当。69年、田代敦巳らとグループ・タックを結成し、映画『クレオパトラ』(70)の原画や『哀しみのベラドンナ』(73)のアニメーション監督を務める。74年、『ジャックと豆の木』で劇場用アニメ監督デビュー。85年、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をアニメ化し、毎日映画コンクール大藤賞を受賞。その後も『源氏物語』(87)、『あらしのよるに』(05)などを監督。2006年から京都精華大学マンガ学部アニメーション学科の専任教員に就任した。2010年、文化庁より映画功労賞が贈られた。その他TV作品『まんが日本昔ばなし』『ナイン』『タッチ』など。今年7月末にはドキュメンタリー映画『アニメ師・杉井ギサブロー』が公開。
阿部 行夫 プロフィール
1949年、東京生まれ。
デザインスタジオクワトロ、アニメーションスタジオじゃっくに所属。「千夜一夜物語」「まんが日本昔ばなし」等日本のアニメーションを代表する話題作を数多く手掛ける。74年からサンリオフィルムに所属し、「星のオルフェウス」制作のため渡米、ポール・ジュリアン、リチャード・ヒュープナーに師事。90年に制作された「好色一代男」では総監督を努め、ヒューストン国際映画祭監督賞を受賞する。