土田世紀全原画展――43年、18,000枚。

土田世紀全原画展

© 土田世紀

「俺節」や「編集王」、「同じ月を見ている」など才気あふれる作品を次々と世に送り出し、「天才」と呼ばれながらも早逝したマンガ家・土田世紀を、発見されている全原画約18,000枚やトリビュート作品等で紹介する展覧会です。

また、本展に合わせ、土田作品に共鳴したマンガ家たちによるトークショーや、会期中限定のオンデマンド本の出版など、関連事業も数多く行われます。

期間

2014年5月31日(土)~8月31日(日)

◇午前10時~午後6時(最終入館は午後5時30分)
◇休館日:毎週水曜日 ※7/10~8/31は無休

会場 京都国際マンガミュージアム 2階 
ギャラリー1・2・3および6
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です

展示内容

土田世紀作品の原画約18,000枚の展示

  1. 男たちのやり場のない青春の猛りを大胆かつ繊細に描く初期を<俺>の時代とし、デビュー前に描かれた未発表作「やりきれない気持」や「未成年」「卒業」から「永ちゃん」「タックルBEAT」「俺節」までを紹介。
  2. <俺>の時代を経て、土田世紀は、「編集王」「競馬狂走伝ありゃ馬こりゃ馬」などのヒット作を連発する人気作家になってゆく。膨大なページを量産したこの時代を紹介するコーナーでは、壁から、床までをマンガ原稿で埋め尽くす。
  3. 人気作家として描きまくった時期を経て、他者や自然との関係を、ダイナミックかつ静謐な世界観の中で哲学的に描く新しい境地を<月>の時代と名付け、「水の中の月」「同じ月を見ている」「雲出づるところ」などを紹介。

土田世紀 「俺節」 © 土田世紀

土田世紀 「同じ月を見ている」 © 土田世紀


トリビュート作家による描き下ろし作品の展示

マンガ作品

新井英樹(「ザ・ワールド・イズ・マイン」)/信濃川日出雄(「ヴィルトゥス」)/青野春秋(「俺はまだ本気出してないだけ」)

イラスト作品

えすとえむ(「ゴロンドリーナ」)/上條淳士(「TO-Y」)/すぎむらしんいち(「超・学園法人スタア學園」)/日本橋ヨヲコ+木内亨(「少女ファイト」)/松本大洋(「ピンポン」)/矢口高雄(「釣りキチ三平」)/高橋よしひろ(「銀牙 -流れ星 銀-」)/倉田よしみ(「味いちもんめ」)/きくち正太(「おせん」)


新井英樹 © 新井英樹/土田世紀


上條淳士 © 上條淳士/土田世紀



すぎむらしんいち © すぎむらしんいち/土田世紀


えすとえむ © えすとえむ/土田世紀



日本橋ヨヲコ+木内亨 © 日本橋ヨヲコ+木内亨/土田世紀

松本大洋 © 松本大洋/土田世紀


関連イベント

松本大洋✕新井英樹×すぎむらしんいちトークショー
土田世紀を語る

土田世紀の作品に深く共鳴し、本展覧会でも描き下ろしのトリビュート作品を出展しているマンガ家、松本大洋氏と新井英樹氏、すぎむらしんいち氏が、『IKKI』(小学館)編集長・江上英樹氏を相手に、土田世紀を語りつくします。

日時 2014年7月27日(日)午後2時~4時
会場 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
出演

松本大洋(マンガ家)
新井英樹(マンガ家)
すぎむらしんいち(マンガ家)
江上英樹(『IKKI』編集長/土田氏担当編集者)、
吉村和真(京都精華大学マンガ学部教授)

定員 200名(先着順)
参加方法 事前申込不要 
※当日午前10時から京都国際マンガミュージアム館内にて整理券を配布

【開催決定!!】(2014年7月23日掲載)

トークショー後、サイン会を開催いたします!

当日、マンガミュージアムショップで対象書籍をご購入いただいた先着50名に、トークショー終了後に開催するゲストマンガ家3名によるサイン会にご参加いただけます。

【参加注意事項】

  • サイン会参加ご希望の方は、当日、ミュージアムショップで『SEIKI 43年、18,000枚の生涯』あるいは「SEIKIのアンソロジー」(5巻本のうちいずれか)をご購入ください。サイン会への参加券をお渡しします。
  • サイン会にご参加いただけるのは、先着50名です。
  • サイン会参加券の配布はお一人さま1枚とさせていただきます。
  • サインは、こちらで用意した色紙1枚に、3人がさせていただきます。他の色紙、書籍等へのサインはお断りいたします 。
  • 色紙には、お名前を宛名(ペンネーム、ハンドルネーム可。様のみ、宛名なしは不可)としてサインをさせていただきます。イラストのリクエストはお断りします。

シンポジウム:マンガ原画のアーカイブを考える
1万8千枚の土田世紀のマンガ原稿をどうする ?!

本展をきっかけに集められた土田世紀のマンガ原稿 1万8千枚。展覧会後におけるこれらの行方を例に、近年議論が盛んになりつつある、マンガ原画のアーカイブと活用について考えます。

日時 2014年8月31日(日)午後2時~4時
会場 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
料金 無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です
出演

江上英樹(『IKKI』編集長、土田氏担当編集者)
大石卓(横手市増田まんが美術館担当)
羽倉佳代(土田世紀氏著作権継承者)
小川剛(崇城大学芸術学部助教)
吉村和真(京都精華大学マンガ学部教授)
伊藤遊(京都精華大学国際マンガ研究センター研究員)

定員 50名(先着順)
参加方法 事前申込不要

出版事業

オンデマンド本「SEIKIのアンソロジー」の発行・販売

現在、手に入りづらくなっている土田作品を5巻本の選集として発行します。
表紙は、土田作品に共鳴するマンガ家たちによる描き下ろしトリビュートイラスト!

トリビュートイラスト作家
えすとえむ/上條淳士/すぎむらしんいち/日本橋ヨヲコ+木内亨/松本大洋

土田世紀(つちだ・せいき)プロフィール

1969年秋田県横手市生まれ。17歳のとき、「未成年」でマンガ家デビュー。「俺節」「編集王」「同じ月を見ている」など代表作多数。「同じ月を見ている」は、平成11年度文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞、2005年には実写映画化されている。また、2000年には「編集王」が、2008年には「ギラギラ」が実写ドラマ化された。

時流に流されないテーマやストレートに心に響くセリフ、天才的な画力で、マンガファンはもちろん、同業者やミュージシャンなどクエリエイターの中にもその作品に惹かれる者は多い。2012年4月24日、43歳の若さで急逝。

記念本『SEIKI』の刊行について

展覧会開催に合わせ、小学館より記念書籍『SEIKI』の出版が予定されています。初の収録となる未発表作品「やりきれない気持」をはじめとした数々の土田作品が読めるだけでなく、青野春秋、新井英樹、信濃川日出雄によって描き下ろされた新作トリビュートマンガ作品も収録。解説や年表などの資料も充実の1冊です。

その他

本展覧会を含めたプロジェクトには、トリビュート作品を寄せたマンガ家だけでなく、数多くのクリエイターが協力しています。 チラシ・ポスター、図録、オンデマンド本のデザインは、斬新な仕掛けを持ったブックデザインで知られる祖父江慎氏が担当しました。 また、ポスター・チラシのタイトルなどを担当したのは、アーティストであり書家としても知られる三代目魚武濱田成夫氏とMAYAMAXX氏です。

※スケジュール・内容については変更の可能性があります。予めご了承ください。
-IMRC- 国際マンガ研究センター
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