©やなせたかし
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京都国際マンガミュージアム 秋の特別展
ぜんぶ!やなせたかし! ~ビールの王様・詩とメルヘン・アンパンマンetc.~
やなせたかしといえば、「アンパンマン」の作者としてあまりにも有名で、幼児向けのマンガ家、絵本作家として印象の強い方が多いと思いますが、もともとは大人向けのマンガ家として出発し、「アンパンマン」以外にもユーモラスな作品を数多く残しています。今回は、2009年に弥生美術館(東京都文京区)で開催された展示「メルヘンの王様 やなせたかし」をベースとし、マンガ家、詩人、脚本家、編集者、キャラクターデザイナーなど、91歳になった今も様々な分野で活躍中のやなせたかし氏の広範な仕事ぶりをたっぷり御紹介いたします。
彼の多彩な世界を再発見してください。
期間 |
2010年10月2日(土)~12月26日(日)
◇開館時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで) |
会場 | 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー1・2・3 |
特別展観覧料 |
大人1,000円、中高生500円、小学生200円 ※ただし、ミュージアム入場料〔大人500円、中高生300円、小学生100円〕含む ※11月3日(祝・水)は「まんがの日」「関西文化の日」につきミュージアム入場料は無料 |
主催 京都国際マンガミュージアム
特別協力 やなせスタジオ、弥生美術館
協力 香美市立やなせたかし記念館、フレーベル館、トムス・エンタテインメント
数々の顔を持つやなせたかし氏のユーモアあふれるマンガや叙情的で美しいイラストレーションの原画作品、貴重な関連資料など、およそ300点の資料を大公開します!
1.やなせたかしの原点 ~誕生から三越入社まで~
やなせ氏の作品にあふれる切なさや優しさの原風景は氏の少年時代にあり、「アンパンマン」にみる正義のポリシーは、戦争体験からきています。また、戦後、高知新聞社や、1947年に上京し、就職した三越における氏の仕事は、後に幅広い仕事をこなす上で重要な経験となっています。このような氏の原点がこのコーナーに詰まっています。
■主な展示品
・高知新聞社刊行『月刊高知』表紙絵・高知新聞連載マンガ「タマ吉とネギ子」
・三越包装紙「ロゴデザイン」、三越社報連載マンガ「みつ子さん」など
2.多彩な仕事と悩む日々 ~ビールの王様・てのひらを太陽に~
34歳の時に三越を退社。フリーとなったやなせ氏は、ニッポンビール(現:サッポロビール)のCMマンガ「ビールの王様」を初めとし、四コママンガを数多く描くかたわらで、ラジオの脚本やテレビの司会などの仕事にも携わっていきます。しかし、マンガやその他の仕事も自分を決定づけるに至らず、苦悩する日々が続きます。ポピュラーソング「てのひらを太陽に」はそんな最中に生まれた詩です。
■主な展示品
・四コママンガ「ビールの王様」、「メイ犬BON」原画
・不二家社報連載マンガ「ミルキー漫画」
・「てのひらを太陽に」肉筆色紙
・サンリオ出版の詩集など
3.やなせスタイルの確立 ~漫画賞受賞・絵本の仕事~
48歳の時に一念発起して応募した漫画賞に、「ボオ氏」が見事入選。また、元々ラジオドラマのシナリオとして作られた「やさしいライオン」が絵本化、アニメ映画化されるなど、大ヒットします。続いて、手塚治虫の劇場アニメ「千夜一夜物語」のキャラクターデザイン、サンリオ刊行『詩とメルヘン』の責任編集を任されるなど、氏の才能が開花、日の目を見ていきます。
■主な展示品
・マンガ「ボオ氏」原画
・「やさしいライオン」絵本原画
・「詩とメルヘン」、「いちごえほん」表紙原画など
※11/15(月)より「詩とメルヘン」作品の一部展示替えあり
4.アンパンマンで大ブレイク!
1969年に雑誌『PHP』で挿絵付きの童話を連載していたやなせ氏は、その一編に「アンパンマン」を描きました。この作品では、自分の顔を食べさせる「アンパンマン」がヒーローではなく、「餡パン」を配るおじさんがヒーローでした。「子どもからみれば、お腹を空かして泣いている時に助けてくれる、地味な正義の味方を書きたかった。」と語る氏の「アンパンマン」は、1973年にフレーベル館から現在の姿で子どもたちの前に登場。するとたちまち人気に火がつき、アニメ化され、やがて国民的人気のヒーローとなりました。
■主な展示品
・「アンパンマン ゆめねこのくに ニャニィ」原画
・「アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌」原画
・読売新聞掲載マンガ「とべ!あんぱんまん」原画
5.生涯現役 ~ライフワークと現在~
「アンパンマン」はやなせ氏の仕事の中心となりましたが、それでも氏は幅広い活動を続けています。叙情的なイラスト「デュエットシリーズ」やキャラクターデザイン、自身の老境をしみじみ語る「たそがれ詩集」など、91歳になった氏はまだまだ現役で大活躍しています。
■主な展示品
・「デュエットシリーズ」原画
・「たそがれ詩集」原画 など
マンガ家/イラストレーターによるトリビュート作品到着!
「やなせたかしの再発見」というテーマに沿って、マンガ家、イラストレーターなど各界の著名人より、やなせ氏の特定の作品や活動に対する、トリビュート作品(描き下ろしイラスト、または書き下ろしコメント)を寄せて下さりました。
作品は会場で、やなせ氏の作品の合間に、散りばめられて展示されています。
やなせたかし氏 プロフィール
本名・柳瀬嵩。1919(大正8)年高知県生まれ。田辺製薬、高知新聞社、三越勤務を経てマンガ家になる。若い頃はヒット作に恵まれぬまま、テレビの司会、ラジオの脚本、作詞などさまざまな仕事にも携わる。
1973(昭和48)年、まず、以後30年間続いて後進作家に大きな影響を与えた『詩とメルヘン』が創刊され、責任編集者となる。また、同じ年に発売された絵本「あんぱんまん」は子どもたちから人気を得て、アニメ化され、やなせ氏を大ブレイクさせるに至った。
1996(平成8)年高知県に香美市立やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアムを開館。2007(平成19)年、『詩とファンタジー』をかまくら春秋社から創刊。アンパンマンシリーズも大人気で現在続行中。
連続研究講座
とことん!やなせたかし!
様々な分野の研究者をお呼びして、あらゆる見地から、とことん!やなせたかしを研究する講座を月1回(全3回)開催いたします。
時間 |
午後2時~4時 |
会場 | 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1 |
料金 |
無料 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です |
定員 | 各回50名程度(申込不要、先着順) |
第一回「やなせたかしの抒情画・抒情詩」
本展のベースとなった弥生美術館での展覧会「メルヘンの王様 やなせたかし展」の企画者である中村氏に「抒情画家」という観点からやなせたかし氏の魅力について語っていただきます。
開催日 | 2010年10月9日(土) |
出演 | 中村圭子氏 (弥生美術館 学芸員) |
第二回「マンガ家としてのやなせたかし」
「日本の子どもたちの0歳から始まるアンパンマン受容」など、「アンパンマン」やマンガ家としてのやなせたかしについて検討します。
開催日 | 2010年11月7日(日) |
出演 |
増田のぞみ氏 (花園大学文学部創造表現学科 講師) 吉村和真氏 (京都精華大学マンガ学部 准教授) 伊藤 遊氏 (京都国際マンガミュージアム 研究員) |
第三回「絵本作家としてのやなせたかし」
やなせたかし以外の絵本作品の展覧会にも力を入れている香美市立やなせたかし記念館の田所氏に、絵本作家としてのやなせたかしについて同館の活動の紹介も交えつつ語っていただきます。
開催日 | 2010年12月11日(土) |
出演 | 田所菜穂子氏 (香美市立やなせたかし記念館) |
ワークショップ
パンに絵を描いて食べよう!!
"マンガキャンバスパン"にチョコレートペンで絵を描き、オリジナルパンを作って食べる体験教室。
●詳しくはこちら
日時 |
特別展開催期間中の土・日曜、祝日 |
会場 |
京都国際マンガミュージアム 1階 吹抜け ワークショップコーナー |
料金 |
1個 400円 ※ミュージアムへの入場料は別途必要です |
定員 |
1日50個(申込不要・先着順) ※当日、会場前にて受付 |
協力: 株式会社 エヌ・ケー・ゼット・サービス ベーカリー事業部(「パピヨン」)
"マンガキャンバスパン"とは
"マンガキャンバスパン"とは、パティスリー&ブーランジェリー「パピヨン」(代表:金丸正義氏)と当ミュージアムのコラボレーションによるオリジナルパンで、マンガの原稿用紙(キャンバス)をイメージし、厳選素材を用いて作ったブリオッシュパン。(別名「パン・オレ」といい、フランスの菓子パン。)ふんわりとやわらかく、甘味があるのが特徴。
※卵、乳製品、小麦などの各種アレルギー対応可能。2日前までにご相談下さい。
金丸正義(かなまる まさよし)氏 プロフィール
「リーガロイヤルホテル京都」で、永年、製菓・製パン課長(シェフパティシエ)を務める。その後、長岡京市で「焼きたてパン カメリア」、「カフェ&ブティック パピヨン」を、京都市中京区の京都ロイヤルホテル&スパ1階に「パティスリー&ブーランジェリー パピヨン河原町店」を立ちあげ、評判を呼ぶ。京野菜とのコラボレーション等、常に新しいことに挑戦し続けるパティシエ兼ブーランジェとして活躍中。
親子で遊ぼう!こどもプレイルーム&
やなせたかし絵本コーナー
個性豊かなキャラクターが登場し、子どもに大人気の「アンパンマン」は、玩具など様々な形でグッズ展開がされていますが、この「アンパンマン」グッズの広がりを実感していただくため、グッズを親子で実際に触って楽しめるプレイルームを御用意します。
また、1階のこども図書館では、やなせ氏関連の絵本コーナーを設置。すべて手にとって読んでいただけます。その他、「やなせたかしメルヘン劇場」など、やなせたかし関連のアニメ上映も開催予定です。
えむえむ紙芝居
アンパンマン口演
当館では、ヤッサン一座による紙芝居口演を毎日開催しておりますが、午後3時からの口演では「アンパンマン」紙芝居がお楽しみいただけます。
◎口演時間 (各回30分口演/赤字:アンパンマン紙芝居)
土・日、祝: 午後0時、1時30分、3時
平日: 午後1時、3時
◎口演予定作品
「アンパンマンとおむすびまん」
「アンパンマンとしょくぱんまん」ほか
アンパンマンクリスマスコンサート2010
―やなせたかしとアンパンマンの仲間たち―
2007年から毎年恒例となっています「アンパンマンクリスマスコンサート」を今年も開催します。
→申込方法など詳細についてはこちら
日時 | 2010年12月24日(金) 午後2時~3時(修了予定) ※開場は午後1時 |
会場 | 京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール |
内容 | やなせたかし氏本人と歌のお姉さん、アンパンマン、ばいきんまん他のきぐるみが登場する歌と踊りのショー |
※スケジュール・内容については変更の可能性があります。予めご了承ください。