公開研究会
アニメーション研究の諸相

趣旨

21世紀初頭に国際的マンガ研究に携わる際、アジアの他文化で「動漫画」と呼ばれる現象、つまり厳密な意味での「マンガ」と映像表現、特にアニメ・アニメーションとの関係を追究する重要性がますます高まりつつある。本研究会は、マンガ研究科博士前期課程の中間報告会をきっかけにアニメーション研究における表現分析に焦点を当てる、開催者側としての初企画である。これからのマンガ研究との交流可能性を検討する必要があるが、第一歩として以下の問題を中心に据える。

日本のアニメーション研究における表現分析は、物語と映像の二点を扱うものが主流である。また、日本では大塚康生や富野由悠季らの発言や、視聴者の評価として「絵が動いている」ことへの傾倒が、アニメーションにおける動画中心史観ともいうべき言説を構築してきた。だが、ディズニー・アニメーションの「ファンタジア」や絶対映画運動の作品などを見れば、物語と映像を先導する形で音楽が用いられることもあるという指摘は可能だろう。また、「電動紙芝居」などの名で、本格的でない「動画」と軽視されてきた日本のテレビアニメがどれほど「音」と「声」の独特な採用によって成り立つかも注目に値する。さらに、この視聴覚的表現が、観客にも研究者にも特殊なリテラシーを求めることは言うまでもないだろう。

出演者

■報告
萩原由加里(甲南女子大学・立命館大学講師) 「『ファンタジア』(1940年)の日本における受容」
小林翔(京都精華大学マンガ研究科博士前期課程) 「アニメを成り立たせる音/声」
佐野明子(桃山学院大学国際教養学部) 「メディア・リテラシー教育としてのアニメーション制作」

■コメンテータ
石田美紀(新潟大学人文学部)
津堅信之(京都精華大学マンガ学部)

■司会
ジャクリーヌ・ベルント(京都精華大学マンガ学部)

日時 2012年7月14日(土) 午後2時~5時
会場 京都国際マンガミュージアム 3階 研究室1
参加方法

参加希望者は、7月12日(木)午後6時までに①名前②所属を明記の上、
ベルント(berndt@kyoto-seika.ac.jp)
までご連絡ください。
申し込みをされた方は、当日、マンガミュージアムの受付にお申し出ください。申し込みがない場合、ミュージアム入場料(大人800円、中高生300円、小学生100円)が必要となります。

問い合わせ berndt@kyoto-seika.ac.jp(ジャクリーヌ・ベルント)

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※スケジュール・出演者・内容などについては変更の可能性があります。予めご了承ください。

-IMRC- 国際マンガ研究センター
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