「日本マンガの散歩道-明治から現代まで-」展

京都国際マンガミュージアム

セレクションギャラリー マンガ古今東西
「コミックマーケットの源流
            -1960~70年代マンガ同人誌の世界-」展

 近年、世界的に高く評価されている日本のマンガは、その多様性を大きな特徴としています。常に新たな才能を生み出し、その表現の幅を広げつづける日本マンガは、実は、大手出版社だけでなく、もっと小規模な会社や個人による出版物によっても支えられてきました。近年では、「同人誌」と呼ばれる個人出版物を通じて大ヒット作品が生まれることも珍しくありません。中でも、年2回東京で開催される「コミックマーケット(コミケット、コミケ)」には、毎回3万人以上の作家が集まり、多種多様なマンガ同人誌が発表されています。

 この展覧会では、さきごろ新書「コミックマーケット創世記」を上梓された、コミックマーケット初代代表・霜月たかなか氏のコレクションから、コミケが生まれた頃、1960~70年代のマンガ同人誌を多数紹介します。パソコンやコピー機がまだ普及していなかった時代、ほとんどの同人誌は手書きの文字と謄写版(ガリ版)など簡易な印刷用具で手作りされていました。印刷・製本の質は現在と比べると決して高くありませんが、それだけに作り手の情熱がダイレクトに伝わってきます。日本マンガの豊かさを支えてきた、マンガファンの熱い気持ちを感じ取っていただければ幸いです。

※「コミックマーケット」、「コミケット」、「コミケ」は有限会社コミケットの登録商標です。

開催期間 2009年5月23日(土) ~ 8月19日(水)
※6/8(月) ~ 11(木) : メンテナンス作業により休館
※7/9(木) ~ 8/19(水) : 左記期間中は無休
※7月、8月は午後8時まで開館 (入館は午後7時30分まで)
会 場 京都国際マンガミュージアム 2階 ギャラリー1・2
入場料 無料

※ミュージアムへの入場料は別途必要です

展示内容 (1)展示構成
  • 1960~70年代のマンガ状況
  • 雑誌『COM』と「ぐら・こん」
  • 「ぐら・こん」の種、芽吹く
  • 批評集団「迷宮」とマンガ批評同人誌
  • 草創期のマンガ同人誌
  • 「コミックマーケット」誕生
(2)主な展示資料
  • 1960~70年代の代表的なマンガ雑誌
  • 雑誌『COM』および別冊付録「ぐら・こん」
  • 1960~70年代のマンガ同人誌
    (霜月たかなか氏ほか蔵)
  • 草創期「コミックマーケット」のチラシや配布物
    (霜月たかなか氏ほか蔵)
  • ガリ版(騰写版)印刷器の実物
    (新ガリ版ネットワーク、ガリ版伝承館蔵)
  • その他、展示資料総点数約200点

主催: 京都国際マンガミュージアム

協力: 霜月たかなか、朝日新聞出版、コミックマーケット準備会/有限会社コミケット、
    関西コミティア、新ガリ版ネットワーク、ガリ版伝承館

◆朝日新聞出版
 http://publications.asahi.com/
◆コミックマーケット
 http://www.comiket.co.jp/
◆関西コミティア
 http://www.k-comitia.com/
◆新ガリ版ネットワーク
 http://www.showa-corp.jp/toshakan/garinet/garinet.html
◆ガリ版伝承館
 http://www.city.higashiomi.shiga.jp/subpage.php?p=5793&t=1162646980

霜月たかなか著『コミックマーケット創世記』 ISBN 978-4-02-273250-7

 昭和50年(1975年)に誕生したマンガ同人誌即売会「コミックマーケット」の初代代表をつとめた著者が、所蔵する記録資料と関係者への取材をもとにその成立過程をまとめたもの。1960年代後半から1970年代にかけて、大学生など大人がマンガに熱中し、ファン団体を作り、交流の輪を広げていく様子が詳細に記されている。朝日新聞出版刊(朝日新書)、本体価格735円。

コミックマーケット

 30年以上の歴史をもつ日本最大の同人誌即売会。通常は、年2回、夏と冬に東京国際展示場(東京ビックサイト)全ホールを使って開催され、平成21年冬で通算75回の開催となる。3日間開催の場合、のべ入場者数約50万人、参加サークル数約35,000、のべコスプレイヤー数約15,000人という規模で開催されている。

★関連イベント★

「伝説のマンガ月刊誌『COM』を語る-休刊38年目の座談会」
日時: 2009年8月2日(日) 午後2時~午後4時

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