主催:京都国際マンガミュージアム
協力:新潮社/北九州市漫画ミュージアム
特別協力:トランキライザープロダクト

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マンガ界の革新者・竹宮惠子の
50年の足跡をたどる
展覧会が
いよいよ京都へ・・・!

「風と木のウタ」、「地球テラへ・・・」、「天馬の血族」などの名作を生み出し、
マンガ界を革新・リードしてきたマンガ家の竹宮惠子。
画業50年を記念した本展は各地巡回し、好評を博しましたが、ついにラスト!
最後を飾る当館では新規出展原画に加えイベントも多数開催!
豪華なフィナーレをお見逃しなく。

本展のご紹介

第1章

「風と木の詩」

19世紀末のフランスの寄宿舎を舞台に、退廃的な生活を送る美少年・ジルベールと、自虐的なジルベールを救おうとする正義感あふれる少年・セルジュ。この二人の愛を描く「風と木の詩」は、同性愛、近親相姦、人種差別などが描かれ、1976年発表当時、少女マンガの常識を根底から覆しました。様々なタイプの差別を乗り越えようとする本作は、少女マンガの可能性を広げ、「少年愛」は一大テーマとなりました。後の「ボーイズラブ(BL)」の文化の発展にもつながっています。

この章では、記念碑的な作品「風と木の詩」のカラーイラスト、名場面の肉筆原画、本作が発表にいたるまでの構想が描かれたクロッキーノートを展示します。

「風と木の詩」クロッキーノート
第2章

デビューから「イズァローン伝説」まで

竹宮惠子のプロデビューは17歳。20歳で徳島県から上京し、萩尾望都と増山法恵と出会い、増山の実家前のアパートで1973年まで萩尾と共同生活を送りました。アパートは「大泉サロン」と呼ばれ、新進気鋭のマンガ家達がたくさん集まりました。そんな中、「風と木の詩」をなかなか世に出せない焦りから、竹宮はスランプに陥ります。苦悩しながらも描き続け、ターニングポイントとなる「ファラオの墓」を発表します。読者アンケートの上位を狙った本作は見事に大ヒットし、「風と木の詩」発表に至る布石となりました。

この章では、初期作から「ファラオの墓」、増山原作の「変奏曲」、壮大なファンタジー作品「イズァローン伝説」(原画本文16ページ新規出展あり)などを展示します。

「イズァローン伝説」より『樹海の奥』
第3章

「地球へ・・・」 & SF作品

竹宮惠子が「風と木の詩」と並行して連載したのが、『月刊マンガ少年』に連載したSF作品「地球へ…」です。物語は、地球から離れた惑星で、スーパーコンピュータによって管理、育てられた少年ジョミーが、超能力を持った新人類ミュウたちと出会うことから始まります。宇宙を舞台に新旧世代の人類間の抗争が壮大なスケールで描かれたこの作品は、各所から高い評価を得て、2度に渡ってアニメ化もされています。ファンから熱い支持を受ける本作は、作者自身も一番好きな作品だと語っています。

この章では、「地球へ…」の名場面の原画本文20ページ、カラーイラスト、その他のSF作品を展示します。

「地球へ・・・」より「星の生まれるところ」 「地球へ・・・」より『星のうまれるところ』

「天馬の血族」ほか個展描き下ろしまで

1984年、8年に及ぶ「風と木の詩」の連載が終わると、竹宮惠子のマンガ人生はまた新たなステージを迎えます。作品を描くために対象を徹底的に調べ上げる職人的な姿勢は、モンゴルを舞台にした「天馬の血族」、エルメスの社史を纏めた「エルメスの道」など、題材をさらに広げていきました。

2000年、マンガ一筋だった竹宮に大きな転機が訪れます。京都精華大学マンガ学科立ち上げにあたり教授に就任したのです。また、退色のリスクの高いマンガ原画の保存と活用を目的に、『原画’(ダッシュ)』の研究を始め、普及に尽力してきました。現在では同学・国際マンガ研究センターセンター長もつとめ、後進育成はもちろん、あらゆる見地からマンガ業界を支えています。

この章では、「天馬の血族」(原画本文16ページ新規出展あり)など1980年代以降の多彩な作品、教育者・研究者としての竹宮の姿などを展示します。

『天馬の血族』より「碧い草原」 「天馬の血族」より『碧い草原』

グッズ

Information

企画展 竹宮惠子 カレイドスコープ 50th Anniversary
開催日時 2019年4月27日(土)〜 9月8日(日)
10:00〜18:00(最終入館は17:30まで)
休館日 毎週水曜日・6月11日、13日 ※7月11日~8月27日までは無休
会場 京都国際マンガミュージアム 2階ギャラリー1、2、3、4
(京都市中京区烏丸通御池上ル)
入場料 無料
※ただし、マンガミュージアム入場料(大人800円、中高生300円、小学生100円)は別途必要です。
主催
協力
特別協力
京都国際マンガミュージアム
新潮社、北九州市漫画ミュージアム
トランキライザープロダクト
問合先 京都国際マンガミュージアム
TEL:075-254-7414
FAX:075-254-7424

Profile
竹宮惠子(たけみや・けいこ)

徳島県出身。1967年、マンガ雑誌『COM』に投稿作品「ここのつの友情」が掲載された後、68年「リンゴの罪」が『週刊マーガレット』新人賞に佳作入選し、正月号にてプロデビュー。少年愛をテーマとした「風と木の詩」(1976~84年)は人間ドラマの傑作として、その後の少女マンガの世界に大きな影響を与えた。他に「地球へ・・・」や「天馬の血族」など、幅広いテーマの代表作多数。第9回星雲賞コミック部門、第25回小学館漫画賞、第41回日本漫画家協会賞文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。2014年には紫綬褒章を受章した。2000年より京都精華大学で教授を勤め、2014年に学長就任。2018年に任期満了退任後、現在は京都精華大学大学院研究科教授・国際マンガ研究センターセンター長・日本マンガ学会会長。