©すがやみつる/小学館
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これらマンガ・アニメ・ゲームへ高い社会的関心が集まるとともに、近年、それらに関する〈アーカイブ〉(収集・保存・活用)も注目を集めつつあります。
しかし、そうした事業がどのように実施され、現在のマンガ・アニメ・ゲームの文化を支えているのかは、あまり知られていません。
そこで、本展では、文化庁によるメディア芸術振興のひとつ、「メディア芸術連携基盤等整備推進事業」の成果を活用する形で、マンガ・アニメ・ゲームのアーカイブにおいて、どのようなモノが、どのような形でアーカイブされているのかといった現状を知ってもらうと同時に、今後、何をどのように集めるのか、つまり〈のこす〉のか、そして、それらをどのように〈いかす〉のか、そのあり方や意義について、来場者と一緒に考えます。
会場
京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー1、2、3
料金
無料
※ミュージアムへの入場料は別途必要です
※11月25日(月)は「関西文化の日」につき入館無料
※当日、エントランスの券売機にて当日券のご購入も可能です。
※入館チケットの購入方法は、当日ご入館時に券売機でお求めいただくか、オンラインでの事前購入になります。
開館時間
午前10時~午後5時 (最終入館は午後4時30分)
休館日
毎週水曜日、12月26日(木)~1月5日(日)、2月17日(月)~21日(金)
展示構成/展示物
A
文化庁事業における、これまでのマンガ・アニメ・ゲームのアーカイブの試みを、パネル等で紹介します。
B
マンガ・アニメ・ゲーム各分野において、企画から商品製造まで、それぞれの作品が消費者の手に渡るまでのプロセスを、その過程で生まれる中間生成物やそれらを作るための支持体・画材といった実際の「モノ」とともに紹介し、「ポピュラー文化のアーカイブ」と言った時の対象の幅広さを可視化し、実感してもらいます。
C
どのように〈のこし〉、〈いかし〉ていくのか、様々な保存団体や企業、大学、作家自身などの試みを紹介しつつ、今後のアーカイブについて、来場者とともに考えます。
展示物の例
イラスト: すがやみつる
© すがやみつる / 小学館
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〈マンガ分野〉
- マンガ作品が創られ、読者の手にわたるまでの過程において産み出される、様々なモノ
- マンガ原画(原稿)と、その画材や作画道具、ネームや下描きの現物
- マンガ雑誌からお気に入りの作品を切り抜いて製本した読者自作の「マンガ単行本」
- マンガ原画を〈のこし〉、〈いかす〉ことを目的とした試み
- マンガ家・竹宮惠子/京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアムによる、精巧な複製原画を作成する「原画’(ダッシュ)」プロジェクト
- マンガ家・萩岩睦美による、過去の自作を、より耐久性の高い画材で描き直す「再現画」プロジェクト
- 東日本大震災で被災した、マンガ家・たなか亜希夫によるマンガ原画
イラスト: 毛利利昭
©すがやみつる/シンエイ
〈アニメ分野〉
- アニメの視聴機会と、本展で取り上げる範囲
- 「わすれなぐも」(プロダクション・アイジー)を事例とした、オリジナル素材が 持つ魅力を間近に見ることができる展示
- アニメが企画され、放送・視聴できるまで(企画~放送・上映~販売)
- アニメ制作の流れ
- アニメ制作(プロダクション工程)の詳細解説
- アニメ制作過程で生まれる中間素材の事例の展示
- 絵コンテや原画・動画素材、セル画やトレスマシンなどの実物展示
ほか
イラスト: Furuya Yukiko
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〈ゲーム分野〉
- 本展で取り上げるゲームの射程
- ゲームを〈のこす〉必要性について
- ゲーム分野「ならでは」の特徴について
- ゲームの動態保存の難しさと「ゲーム保存」の射程を考える
- 日本ゲーム博物館におけるゲームの保存・修理過程
- 「Pengo」(セガ)のデモ画面から、ブラウン管テレビと液晶モニターでの見え方の違いを見てみる
- 「ゲームセンターあらし」の作中の一場面を再現
- 「スペースインベーダー」(タイトー)をプレイ可能状態で展示
展示物一例イメージ
〈マンガ分野〉
東日本大震災で被災した、マンガ家・たなか亜希夫によるマンガ原画
© 狩撫麻礼・たなか亜希夫/双葉社
〈アニメ分野〉
紙に描かれた描線をセル画に転写するトレスマシン
(*写真はイメージです。)
〈ゲーム分野〉
「Pengo」(1982)/セガ
© SEGA
なぜ「ゲームセンターあらし」なのか?
マンガとアニメとゲームを横断するこの展覧会を象徴するキャラクターとして、すがやみつる「ゲームセンターあらし」の主人公・石野あらしを選びました。
「ゲームセンターあらし」は、あらしが、次々と現れるライバルたちとビデオゲーム対決をするという、1979-83年に『コロコロコミック』で連載された少年マンガ。
大人気を博し、1982年にはシンエイ動画制作でテレビアニメ化もされています。「炎のコマ」「エレクトリックサンダー」といった派手な技を繰り出し、あらしがダイナミックに動くアニメ版を覚えている当時の視聴者も多いでしょう。
ビデオゲームというマンガのテーマは、任天堂「ファミリーコンピュータ」が発売される1983年以前においては画期的なものでしたが、この作品に取り上げられたビデオゲームの多くは、実在するものでした。
ところで、「ゲームセンターあらし」が小学館漫画賞児童部門を受賞した1983年に、『別冊コロコロコミック』でも連載されていた「あらし」の後続作品として、「マイコン電児ラン」の連載が始まっていることは注目に値します。「あらし」は、すでにあるゲームをプレイする楽しみを描いた作品でしたが、「ラン」は、自分自身でゲームを作るプログラミングの面白さを伝える作品だったからです。すがやの代表作のひとつに、「あらし」と共に小学館漫画賞の対象となった「こんにちはマイコン」という、プログラミングを教える“学習マンガ”がありますが、「エンタメの消費者を、エンタメの創作者に導く」という重要な役割を、ゲームの分野において果たしました。
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関連イベント
シンポジウム「マンガ・アニメ・ゲームをどうのこす!?どういかす!!?」
《第1部》
マンガ・アニメ・ゲーム各分野に関する文化庁メディア芸術アーカイブ事業に携わり、本展の各分野の展示も担当したメンバーが、同事業を中心に、メディア芸術のアーカイブの現状と今後について議論します。
《第2部》
ゲームをテーマとし、アニメ化もされたマンガ作品「ゲームセンターあらし」の著者である、すがやみつる氏をお招きし、3分野がクロスすることで生まれる可能性などについて考えます。
日時
2025年1月18日(土)12:00~16:00
会場
京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金
出演者
すがやみつる(マンガ家)
椎名ゆかり(文化庁芸術文化調査官[メディア芸術担当])/イトウユウ(京都精華大学国際マンガ研究センター特任准教授/本展マンガ分野担当者)/大坪英之(一般社団法人日本アニメーター・演出協会事務局長/本展アニメ分野担当者)/尾鼻崇(立命館大学ゲーム研究センター客員協力研究員/本展ゲーム分野担当者)
定員
200名
参加方法
当日の入場方法
11:30より開場となります。電子チケットに記載のある番号順に、入場のご案内をします。
ご入場においてはイベント会場(1階 多目的映像ホール)入口にて電子チケットをご提示ください。会場内の座席は自由席となります。
電子チケット表示方法
チケット予約完了メール内にあるリンク「▼チケットを開く」から表示できます。TIGETアカウントをお持ちの方は、マイページからも表示できます。
いずれも、スマホアプリのインストールは不要です。
※チケットのお求めにあたり電子チケット販売サイトTIGETへの会員登録は任意です
共催:一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)/一般社団法人日本ゲーム展示協会
すがやみつる
1950年、静岡県生まれ。高校卒業後に上京、マンガ編集プロダクションなどの勤務を経て、石森プロに所属。1971年、『テレビマガジン』(講談社)にて、「仮面ライダー」でマンガ家デビュー。その後、「仮面ライダーV3」や「仮面ライダーX」などのマンガ版も担当。第28回小学館漫画賞(1983年)を受賞した「ゲームセンターあらし」と「こんにちはマイコン」をはじめ、代表作多数。コンピュータやパソコン通信など、常に時代を先取りするような新しいテーマに挑んできた。2011年には早稲田大学大学院修士課程を修了、その後、京都精華大学マンガ学部教授も務めた。マンガ作品以外の著作も数多く、近著に、『昭和「コロコロ」マンガ 爆走伝説』(ビジネス社)、『マンガ家と学ぶ著作権実務入門』(澤田将史・監修、樹村房)がある。
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主催:文化庁/京都国際マンガミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター/立命館大学ゲーム研究センター
共催:一般社団法人日本アニメーター・演出協会(JAniCA)/一般社団法人日本ゲーム展示協会
協力:日本ゲーム博物館(株式会社小牧ハイウェイ企画)/大阪樟蔭女子大学美粧学研究室/すがやみつる/株式会社小学館集英社プロダクション/株式会社タイトー/株式会社セガ/株式会社プロダクション・アイジー /シンエイ動画株式会社 /有限会社六方 /認定NPO法人アニメ特撮アーカイブ機構
※スケジュール・内容については変更の可能性があります。予めご了承ください。