本日開館
マンガパンデミック2025

オンライン展覧会

マンガ・パンデミックWeb展 2025

2025年12月15日(月)~

作品募集期間:2025年12月15日(月)~2026年2月28日(土)

開催趣旨

この度の「オンライン展覧会」は、2020年以降、毎年開催している「マンガ・パンデミックWeb展」の第6弾となるものです。

本展は、世界中で蔓延し続ける新型コロナウイルス感染症にわれわれ人類がどのように向き合っているのかをテーマに、マンガの自由自在な表現力と国際的な拡張力を活用すべく、完全にオンライン上で作品を応募・展示するというプロジェクトとして始まりました。

過去5回の公募において、累計197ヵ国・地域の累計919組から累計3935作品が寄せられました。ジャンル的には、1コマものからストーリーマンガまで幅広く、テーマ的には、さまざまな国・地域の文化や政治にまつわる実態と差異が明らかとなり、「新しい日常」や「緊迫する暴力」を笑いや諷刺とともに目に見える形で表現してくれました。

日本では、2023年4月の法改正で、新型コロナウイルス感染症が「新型インフルエンザ等感染症」と同等に位置づけられたことで、それまでの様々な規制が緩和され、日常が戻ってきたかのようですが、今なお感染者が減っているわけではありません。

そこで、6回目となる今回も、「パンデミック」というテーマでマンガ作品を募集したいと思います。

いまだ解消したわけではないコロナ禍は、まちがいなく人類史に残る出来事です。その只中を生きる人々の姿や変化の様を記録することは、のちに歴史を振り返るうえで貴重な作業となるでしょう。マンガはそのために適した表現であり、人類史にとって有用な史料となり得ることを、私たちは確信しています。

これに加え、今回も「平和」をテーマにした作品を募集します。

実のところ、このプロジェクトはもともと「平和」をテーマとしていました。ここで用いる「平和」とは、単なる「戦争の不存在」ではなく、「暴力の不存在」という近年の平和学が採用している定義を指しています。そして、「暴力」とは「人間能力の全面開花を阻害する原因」(飢餓・貧困・社会的差別・人権抑圧・環境破壊・医療や教育や福祉の遅れなど)を意味しています。すなわち、「暴力」は「どこかの世界」ではなく「私たちの日常」の中に、さまざまな形で存在しているのです。

新型コロナウイルス感染症がそうした「暴力」を世界的に蔓延させているかもしれない、というのが、この「マンガ・パンデミックWeb展」における設定でした。ところが、2022年2月以来、ウクライナとロシアのあいだで、まさしくこれ以上ない暴力行為――「戦争」が目の前で繰り広げられる事態となりました。

そこで、プロジェクトの初心に戻る意味でも、2023年には「平和」をもう一つのテーマに加えることとしました。
しかし、さらに2023年10月より、パレスチナとイスラエルのあいだでも戦火が拡大するなど、ますます暴力の連鎖が止まらない国際情勢に直面しています。

「パンデミック」と「戦争」という、世界史上の事件であり、人類の課題に対し、はたしてマンガに何ができるのか。その可能性と課題を、みなさんと共に追究していけたらと思っています。

なお、例年通り、反人権的な表現になっていないか、特定の個人や国家を誹謗していないかなど、作品の採否の判断は主催者の責任で行います。

また、この「オンライン展覧会」は、作品を展示する「ギャラリー」であると同時に「作品データベース」でもあります。私たち実行委員会が「例外的な商業利用」と判断する場合でない限り、マンガ文化の普及のためにも、今後もさまざまな展示等で無償活用することを、何卒あらかじめご了承ください。

最後に念押しですが、今回も国籍や世代はもちろん、プロ・アマも問わず、世界中のどなたでも応募可能です。ぜひあなたも、この機会に「マンガ熱」を込めた作品をお届けください。主催者一同、みなさんからの自由で多彩なマンガを、心よりお待ちしています。

2025年12月吉日
マンガ・パンデミックWeb展2025実行委員会

会場

オンライン上のウェブサイトが「会場」です。

マンガ作品募集

詳細はこちら
募集期間 2025年12月15日(月)~2026年2月28日(土)

主催:マンガ・パンデミックWeb展2025実行委員会
(安斎科学・平和研究所/立命館大学国際平和ミュージアム/京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム)

展示アドバイザー:しりあがり寿(マンガ家)/安齋肇(イラストレーター)
ロゴデザイン:安齋肇/坂本志保
イラスト:しりあがり寿