3月2日に逝去されたマンガ史・諷刺画研究家・清水勲氏の遺した、膨大なマンガ資料コレクションと、それらをもとにしたマンガ史研究をいかに受け継ぐか、ということをテーマとするオンライン・シンポジウムを開催します。
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出演者■ 第1部(個別発表)
宮本大人(明治大学国際日本学部教授)
新美琢真(川崎市市民ミュージアム漫画担当学芸員)
吉村和真(京都精華大学マンガ学部教授/司会)
■ 第2部(座談会)
呉智英(評論家)※出演キャンセル(4/10)
表智之(北九州市漫画ミュージアム専門研究員)
吉村和真(京都精華大学マンガ学部教授)
イトウユウ(京都精華大学国際マンガ研究センター専任教員/司会) -
観覧方法
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主催京都精華大学国際マンガ研究センター
京都国際マンガミュージアム
まだまだ十分に知られていないのが現状ですが、京都国際マンガミュージアムには,江戸時代の戯画浮世絵や明治・大正期の諷刺漫画雑誌など、今では手に入れることが難しい数千点のマンガ資料が保管されています。
これらを、今私たちが読んでいる「マンガ」につながる貴重な歴史資料だと信じ、数十年をかけて、ひとりでコツコツ集めてこられたのが、マンガ史・諷刺画研究家の清水勲さんです。
その清水さんが、3月2日、81歳で永眠されました。
清水さんは、2006年のオープン以前から、マンガミュージアムに深く関わってこられました。アーカイブ施設としての価値を高めるため、貴重なマンガ資料を譲っていただいただけでなく、研究顧問という立場から、長年にわたり、研究機関としてのマンガミュージアムを支えてくださいました。
本イベントは、その清水氏が遺した膨大なコレクションと、そこから構築されていった「清水マンガ史観」を、どのように受け継ぎ、乗り越えていくか、ということをテーマにしたシンポジウムです。
第1部では、清水史観を発展的・批判的に引き受けつつ、新たな「マンガ/史」の構築を試みている宮本大人氏と、清水氏がマンガ資料コレクションの蒐集に携わられた川崎市市民ミュージアムにおいて、コレクションを活用した「のらくろであります!」展といった展覧会を企画した新美琢真氏に、清水氏の「マンガ/史」をいかに受け継ぎ、乗り越えていくべきかを語っていただきます。
第2部では、清水氏と共に、そのコレクションをいかにマンガミュージアムに位置付けていくべきかを考えてきた、ミュージアム創設時の研究メンバーが集まり、清水氏の思い出を語ると共に、清水コレクションの価値と、マンガ資料をアーカイブしていくこと自体の意義について意見を交わします。
※呉智英さんの出演は、昨今の新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、出演を見合わせることになりました。これに伴い、第2部の内容も若干変更となる可能性があります。(4/10)
東京都生まれ。
出版社勤務を経て、著述業に入る。
川崎市市民ミュージアム専門研究員、帝京平成大学教授などを歴任。
日本マンガ学会理事、京都国際マンガミュージアム研究顧問も務めた。
ジョルジュ・ビゴーの研究で高橋邦太郎賞(日仏文化賞)を、日本近代漫画の研究で日本マンガ家協会賞特別賞、文化庁メディア芸術文化祭功労賞などを受賞。
前人未到の100冊を超えるマンガ史関連の編著作を遺した。
※スケジュール・内容については変更の可能性があります。予めご了承ください。