内容
京都国際マンガミュージアムでは、「世の中に忘れられたマンガの先祖たちを掘りおこし、現代マンガのルーツをさぐる」ということを目的に、荒俣館長が企画し、プロデュースする小展示シリーズ「大マンガラクタ館」を展開しています。「マンガラクタ」というのは、マンガを含め、「だれかに発見されないかぎり、ずっとゴミくず同然に埋もれてしまう」ガラクタこそを面白がる、という価値観を示した、館長による造語です。
(荒俣宏館長による展示のあいさつ文より)
こんにちは、アラマタ館長です。
新型コロナ、まだ終りませんね。
よっぽど、うらみでもあるのか、と聞きたくなります。
え? 誰のうらみかって? まさかウイルスには聞けないでしょう。
こういうとき、日本人は「バケモノのうらみ」ということにしました。
とくに化け猫ですね。「猫また」ともいわれて。
ひどい目にあった人に代わって、猫がうらみをはらすんです。
だから、夏のお盆には映画も小説もマンガも、そろって「化け猫」の話をとり上げました。子どもだった館長も、ドキドキしながら見ました。
昔は、この役をやらせたら日本一、といわれた「化け猫女優」だっていたんですよ。
有名女優たちが、どういうわけか知りませんが、一生懸命にコワイ「怨み猫」を演じた姿が、忘れられません。
それで、この夏、ミュージアムのお蔵をさがして、忘れられたB級マンガを掘り起こしてみたんです。そしたら、あるわ、あるわ、今は忘れられてしまった化け猫ものがたりが。
みなさんにもご覧いただきましょう。化け猫の魅力は永遠なのです。
京都国際マンガミュージアム/大マンガラクタ館 館長 荒俣宏
ページ上部引用図版:
しきはるみ『飼猫㊙化身屋敷』『継母怪猫』東京漫画出版社/鳥海やすと『怪談・ねこ』若木書房/月宮よしと『異説怪猫伝』東京トップ社/松原浩『猫侍』太平洋文庫
引用した図版で、著作権者不明のものがあります。著作権が存在するものについて、著作権者をご存知の方がおられましたら、お知らせください。
古来、猫は、超常的な力をもって人間に害をなすコワい動物として、物語の中に登場してきました。ところが、近年の猫ペットブームに伴い、化け猫さえも、人間に寄りそうカワイイキャラとして描かれるようになっています。
当館1階吹き抜けの特集棚「えむナビ」では、そうした「萌える」化け猫キャラが登場するマンガ本を集めた「萌える!化け猫マンガ」を展開中です。合わせてお楽しみください。
主催 京都国際マンガミュージアム、京都精華大学国際マンガ研究センター
※新型コロナウィルス感染拡大による入場制限や臨時休館等含め、スケジュール・内容については変更の可能性があります。
予めご了承ください。