休館日
縮小社会のエビデンスとメッセージ

縮小社会のエビデンスとメッセージ

人口・経済/医療・福祉/教育・文化/地域・国際、そしてマンガ

2022年1月22日(土) 〜 5月16日(月)

京都国際マンガミュージアムではこの度、〈縮小社会〉としての現代日本の実相と、そうした社会を生きるヒントをメッセージとして提示する企画展「縮小社会のエビデンスとメッセージ:人口・経済/医療・福祉/教育・文化/地域・国際、そしてマンガ」を開催します。

同展は、京都精華大学と人間文化研究機構・国際日本文化研究センターとの協定に基づき、同センターにおける共同研究会「縮小社会の文化創造:個・ネットワーク・資本・制度の観点から」の問題関心を紹介するものとして企画されました。また、本企画展は、人間文化研究機構「博物館・展示を活用した最先端研究の可視化・高度化事業」の一環として実施します。

休館日

毎週火・水曜日、2月24日
※2月23日、5月3日、5月4日は開館

会場

京都国際マンガミュージアム2階
ギャラリー1、2、3

事前購入

※当日、エントランスの券売機にて当日券のご購入も可能です。
※入館チケットの購入方法は、当日ご入館時に券売機でお求めいただくか、オンラインでの事前購入になります。

主催

国際日本文化研究センター共同研究会「縮小社会の文化創造:個・ネットワーク・資本・制度の観点から」(人間文化研究機構「博物館・展示を活用した最先端研究の可視化・高度化事業」) /京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム

企画

山田奨治(国際日本文化研究センター教授)/服部圭郎(龍谷大学教授)/服部正(甲南大学教授)/谷川建司(早稲田大学客員教授)

展示・制作協力

髙橋耕平(アーティスト)、しりあがり寿(マンガ家)

国際日本文化研究センター特設サイトはこちら

内容

日本の人口は、2008年の1億2808万人をピークに、急速な減少に転じている。人口が縮小・高齢化し、加えて経済的な豊かさが失われるなかで、社会のさまざまな課題が噴出している。人口に見合った社会・経済・文化活動とは、どのようなものになるのだろうか。社会的・文化的活動を経済の文脈に限定せず、それがもつ個の「生」を充実させる働きをどのようにいかしていくことができるか。縮小社会のなかでの多様な動きをみわたせば、これまでとはまったく異なる発想での「生」のつむぎ方がみつかるかもしれない。

4つのセクションにわかれた本展では、8つの視点から、〈縮小社会〉の実相を示すデータ=「エビデンス」と、そうした現実を生きるためのヒント=「メッセージ」を提示。

展示構成

人口・経済

人口減少によって存亡の危機を迎えている自治体がある。需要が縮小して経済が回らなくなり、さらに人口が減る。一方で、一人あたりの豊かさはむしろ増すとの意見もある。人口減少の実態と、地域や個人の豊かさを考える。

主な展示物
・日本の人口減少シミュレーション動画
・縮小地域からのビデオメッセージ

医療・福祉

高齢者の社会的孤立が深刻だ。文化的な活動によって地域社会との関係性を作り、孤立を防ぐ取り組みが行われている。広がりをみせる障害者による創作活動にも、縮小社会を生きるヒントがある。

主な展示物
・関係をつむぐ、障害のある人の創作物
・社会との関わりを作る「屋台カフェ」

教育・文化

出版業界が著しく縮小している。出版社の倒産や書店の閉店によって、良質な言説を世に送る回路が閉ざされていく。学校の縮小も急速に進んでいる。一方で、閉校した校舎を文化施設として再生する取り組みが進んでいる。

主な展示物
・縮小する出版・書店に関する写真
・京都市内の学校の再活用に関する資料

地域・国際

日本経済は、もはや外国人の労働力なくしては回らない。ところが、日本は移民の受入れに消極的で、外国人労働者への人権侵害が後を絶たない。だが、日本文化を代表する和食をよくみれば、外国文化の影響がわかる。

主な展示物
・日本で買える世界の食材
・川村淳平による「多国籍な和食」の図解イラスト(原画)

その他

【しりあがり寿による描き下ろしマンガ作品】
マンガ家のしりあがり寿が本展のために描き下ろした、8つのテーマの4コママンガを展示。

【マンガ・参考書コーナー】
縮小社会をテーマにしたマンガ作品と、参考となる書籍を展示。

【VR空間でのオンライン展示】
ネット上のヴァーチャル空間にも展覧会を再現します。(2月初旬公開予定。詳細は後日ホームページ等でお知らせします。)

「多国籍な和食」の図解イラスト

©川村淳平

シュウさんとシュクちゃん

©しりあがり寿

―展示風景―

しりあがり寿(しりあがり・ことぶき)

マンガ家。1958年静岡県出身。ギャグを基調にしつつ、生と死をみつめた哲学的作品「弥次喜多 in DEEP」で、第5回手塚治虫文化賞「マンガ優秀賞」(2001年)受賞。第46回文藝春秋漫画賞(2000年)受賞の「時事おやじ」シリーズや、『朝日新聞』で連載中の「地球防衛家のヒトビト」など、社会に対する鋭い感性が発揮された作品も少なくない。3.11直後に描かれた「海辺の村 discontinuous day」収録の『あの日からのマンガ』は、第15回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(2011年)を受賞した。

髙橋耕平(たかはし・こうへい)

アーティスト。ドキュメンタリー形式の映像を中心に、パフォーマンスの記録やアーカイヴ資料を用いた、普段見過ごされがちな領域に焦点を当て、それらに潜む歴史や物語を視覚化する作品を制作する。近年の展覧会に「コレクションとの対話:6つの部屋」(京都市京セラ美術館、2021年)、「切断してみる。-二人の耕平」(豊田市美術館、2017年)、個展「髙橋耕平 街の仮縫い、個と歩み」(兵庫県立美術館、2016年)など。

国際日本文化研究センター

日本文化を国際的・学術的な観点から総合的に研究する研究機関で、1987年に設立。約30名の専任・特任教員と15名ほどの外国人研究員、そして500名を超える大学研究者などが共同研究を行っている。

※新型コロナウィルス感染拡大による入場制限や臨時休館等含め、スケジュール・内容については変更の可能性があります。予めご了承ください。