本日開館
縮小社会を考える映画祭

「縮小社会のエビデンスとメッセージ」展関連イベント 作品上映+監督とのトーク・セッション

縮小社会を考える映画祭

2022年1月29日(土)、2022年1月30日(日)、2022年2月19日(土)、2022年2月20日(日)
※オンラインでのリモート開催に変更

★新型コロナウィルスの感染状況の悪化により、1月29日(土)、1月30日(日)の回は、オンラインでのリモート開催に変更しま す。視聴方法などの詳細は、参加登録された方にお知らせします。(2022/1/20)
★新型コロナウイルス感染症の京都府への「まん延防止等重点措置」が発令されたことを受け本全イベントは、オンラインでのリモート開催に変更しま す。視聴方法などの詳細は、参加登録された方にお知らせします。(2022/1/27)

時間

午後1時~4時30分

会場

京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール

定員

各回100名(要事前申込・先着順)

料金

無料(ミュージアムの入場料も不要です
★1月29日(土)、1月30日(日)、2月20日(日)の回はオンライン開催に変更されましたが、イベント参加チケットで当館に入館することはできません。
★2月19日(土)に予定されていた日文研所蔵春画の特別展示は、3月13日(日)のシンポジウム開催時に展示します。ただし、感染状況によっては再延期/中止になる場合もあります。2月19日(土)の映画上映チケット購入券のみ、3月13日(日)のミュージアム入場時に、購入チケット提示により入場無料となります。詳細は、参加登録者にお知らせします。

参加方法

詳細は、下記申込ボタン先のサイトにてご確認いただけます。

主催

国際日本文化研究センター共同研究会「縮小社会の文化創造:個・ネットワーク・資本・制度の観点から」(人間文化研究機構「博物館・展示を活用した最先端研究の可視化・高度化事業」) /京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム

国際日本文化研究センター特設サイトはこちら

内容

企画展「縮小社会のエビデンスとメッセージ」の関連イベントとして、映画上映+トーク・セッションのシリーズ「縮小社会を考える映画祭」を開催します。
展覧会において提示されている、現代日本社会の人口減少、さまざまな領域での既存の仕組みの縮小、機能不全、崩壊など、日本の社会や文化の在り方を根底から変えつつあるドラスティックな変化をとらえた、優れたドキュメンタリー映画作品4本を厳選し、上映します。上映終了後は、毎回、それぞれの作品の監督と鑑賞者との間の対話(トーク・セッション)を行ない、「縮小社会=日本」の現状を知り、今後の日本社会の在り方について考えるきっかけを提供する場としたいと思います。司会進行は、展示企画者のひとりで、本イベントのコーディネータでもある谷川建司(早稲田大学客員教授)が務めます。

双子暦記 私小説

2022年1月29日(土)
開場13:00/開演13:30(終映時間15:20/トーク終了予定時刻16:30)
ゲスト:原將人監督/原真織(女優)

『双子歴記 私小説』(2018年製作、110分)
高校在学中に撮った『おかしさに彩られた悲しみのバラード』(1968)で第一回フィルムアートフェスティバル東京のグランプリを獲得し、23歳で伝説的映画『初国知所之天皇』(1973)を撮った早熟の映画作家・原将人。その後、『20世紀ノスタルジア』(1997)で初のメジャー作品を手掛けるも、インディペンデントな映画作りの立場を貫いている原は、63歳にして双子の女の子の父親となる。古都京都に住み、双子を育てる生活費を稼ぐためにフリーターとして働き始めた原が、様々なブラックなアルバイトを経験しながら自分自身の生活を“私小説”として赤裸々に描き切ったのが本作品である。双子の誕生を起源に“双子歴”の世界へ分け入った映画作家・原将人の眼というフィルターを通じて、現代の日本社会に表出している様々なひずみが浮かび上がる。

桜の樹の下

2022年1月30日(日)
開場13:00/開演13:30(終映時間15:01/トーク終了予定時刻16:15)
ゲスト:田中圭監督/三脇康生(仁愛大学教授、コメンテーター)

『桜の樹の下』(2016年製作、91分)
舞台は神奈川県川崎市にあるさびれた市営団地。高度経済成長期に地方から東京へやってきた労働者たちのベッドタウンとして林立され、現在は子育てを終えて子供が独立し、老人たちだけが住まう団地には、様々な背景を持つ高齢者たちが人生の終焉に向かう時期を、互いに隣人たちを気遣いながらひっそりと生きている。団地の中には孤独だけでなく、笑いがあり、踊りがあり、生と死が繰り返される日常の中に懸命に生きている高齢者たちの姿がある。本作が商業映画デビュー作となった二十代の若き女性監督・田中圭が、自らの祖父母ほどの年齢差のある高齢者たちを撮影していく過程を通じて、人口減少や高齢化社会の到来といった変化の中でベッドタウンとしての役割を終えたコミュニティの中に生への旺盛なエネルギーを見出していく様が描かれる。
公式サイト https://www.sakuranokinoshita.com/

春画と日本人

2022年2月19日(土)
開場13:00/開演13:30(終映時間14:57/トーク終了予定時刻16:15)
ゲスト:大墻(おおがき)敦監督/石上阿希(国際日本文化研究センター特任助教、コメンテーター)
※18歳未満はご参加いただけません
※会場にて日文研所蔵春画の特別展示あり

『春画と日本人』(2018年製作、87分)
浮世絵の一種であり、性風俗を描いたサブ・ジャンルとして江戸時代に流行した“春画”は、かつては研究者が真正面から取り組むテーマとしても憚られる類のものだったが、現代ではその芸術性が再認識され、浮世絵師たちの卓越した世界観や構図感覚、人間の生と性のエネルギーによって見る人を感動させる力を持つものと認識されるようになった。英国では大英博物館で大規模な春画展が開催されている。だが、この大英博物館春画展の日本での里帰りの巡回展は、なかなか実施に踏み切る美術館が見つからなかった。その背景には、担当者レベルでは乗り気であっても、組織として開催を決断する上で公権力との摩擦が生じることを恐れ、触らぬ神に祟りなしといった態度で見合わせようとする力学が存在する。委縮している日本社会の現状がそこから浮かび上がってくる。
公式サイト https://www.shungamovie.com/

孤独なツバメたち

2022年2月20日(日)
開場13:00/開演13:30(終映時間15:31/トーク終了予定時刻16:45)
ゲスト:津村公博監督/玉野井麻利子(UCLA教授)

『孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~』(2012年製作、121分)
静岡県には多い時で約30万人もの日系ブラジル人たちが在住していた。彼らの多くは、高度経済成長期に主に製造業の担い手としてブラジルから出稼ぎのために日本へやってきた者たちで、日本で家庭を持った彼らの許には子供たちが生まれ、日本で成長した。彼らは日本で生まれながら、日本は故郷ではなく、かといってブラジルには行ったことがなく、日本に住むよそ者として日本社会のセーフティネットからは排除され、不況になれば真っ先に勤め先企業から派遣切りされる立場に置かれている。浜松学院大学でこの問題に深い関心を寄せる津村公博と撮影を担当した中村真夕とが、自分の居場所を求めてもがきながら必死に生きる5人の日系ブラジル人の若者たちの三年半を克明に追い、日本社会における外国人への差別と偏見、移民問題を浮き彫りにしている。

※新型コロナウィルス感染拡大による入場制限や臨時休館等含め、スケジュール・内容については変更の可能性があります。予めご了承ください。