「JIN-仁―」『スーパージャンプ』表紙©村上もとか/集英社、『六三四の剣』4巻カバーより©村上もとか/小学館、『龍―RON―』6巻カバー©村上もとか/小学館、「フイチン再見!」より©村上もとか/小学館
スピード感溢れる大胆な描写や、登場人物たちの心情を映し出す繊細な感情表現、先の読めない巧みなストーリー展開など読者に深い感銘を与え続けてきたマンガ家・村上もとか。昨年、画業50年の節目を迎えました。
幕末医療ロマン作品の「JIN―仁―」、「侠医冬馬」や、日中近代史を壮大なスケールで描いた作品「龍―RON―」をはじめ、F1(「赤いペガサス」)、剣道(「六三四の剣」)、クライミング(「岳人列伝」)、少女マンガ史(「フイチン再見!」)等、様々なジャンルに挑み続けてきました。
本展では、原画を鑑賞しなければわからない村上もとかの繊細かつ大胆なペンのタッチや、カラー作品の豪華で繊細な色使いを、総計約330点の原画を通してお楽しみいただけます。本人セレクトによる名場面集、制作の裏側に迫った作品解説コーナーも登場します。
なお本展は、2022年6月4日~9月25日に弥生美術館(東京都文京区)で開催された展覧会に京都に関する原画を追加した巡回展となります。また、「京都国際マンガ・アニメフェア2023(通称:京まふ)」の連動企画です。
こちらに加えて京都会場オリジナルとして以下のコーナーが登場します。
京都会場オリジナルコーナー
京都セレクション
「JIN―仁―」と「龍―RON―」に登場する京都での出来事を描いた原画26点をセレクションし展示します。
ゲンガノミカタ
原画で鑑賞してこそ発見の多い村上作品をご覧いただくに当たって、「スクリーントーンは「貼るだけ」じゃない!」「この「切り貼り」は何のため?」など10のポイントに絞った〈マンガ原画の観方〉を、実際の村上作品を事例に解説したコーナーでご紹介します(同コーナーは、横手市増田まんが美術館などで開催され好評を博した「ゲンガノミカタ」展の「村上もとか」バージョンです)。
原画’(ダッシュ)作品
マンガ家・竹宮惠子氏をプロジェクトリーダーとする京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアムの「原画’(ダッシュ)」(コンピュータにマンガ原稿を取り込み、綿密に色調整を重ねた上で印刷した、精巧な複製原画)プロジェクト対象作家として、2014年度に村上もとか氏の作品35点が原画’(ダッシュ)作品として制作されました。原画と合わせて展示を行うため、前期・後期に1点ずつご紹介します。
圧倒的な画力を持つだけでなく、「時代と人」を描くことに心を燃やし続けた村上もとか50年の軌跡をぜひ、その目でお確かめください。
『JIN-仁―』20巻カバー
2011年
©村上もとか/集英社
「JIN-仁―」『スーパージャンプ』
2000年19号
©村上もとか/集英社
『侠医冬馬』4巻カバー
2021年
©村上もとか/集英社
会場
京都国際マンガミュージアム2階ギャラリー1、2、3
開館時間
午前10時30分~午後5時30分 (最終入館は午後5時)
※9月16・17日(土・日)は、「京都国際マンガ・アニメフェア2023」開催につき午前10時30分~午後7時30分(最終入館は午後7時)
休館日
毎週水曜日
※ただし、7月20日(木)~8月29日(火)は無休
料金
事前購入
「侠医冬馬」『グランドジャンプ』
2020年14号
©村上もとか/集英社
「赤いペガサス」『週刊少年サンデー』
1978年12号
©村上もとか/小学館
「赤いペガサス」『週刊少年サンデー』
1979年7号
©村上もとか/小学館
関連イベント
対談&ライブドローイングイベントとサイン会
「マンガ家人生50年を振り返る」
半世紀の画業を振り返りながら、村上もとか氏自身に、思い出話を語っていただきます。元アシスタントで、現在「侠医冬馬」で共作しているマンガ家のかわのいちろう氏とともにマンガの描き方について実演を交えて解説もいただきます。
また、イベント終了後に、イベント参加者を対象に両氏のサイン会も開催いたします。
サイン会の対象書籍は「侠医冬馬 7巻」(集英社)となり、当館のミュージアムショップで当日ご購入いただいた方が対象です。
日時
2023年7月9日(日)午後1時~午後2時半
会場
京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金
出演
村上もとか(マンガ家)
かわのいちろう(マンガ家)
司会:應矢泰紀(京都国際マンガミュージアム学芸室員)
定員
150名 (先着順)
参加方法
本イベントは終了しました。
村上もとか講演会とサイン会
「フィクションの中の現実性」
村上もとか氏のマンガには、実在した歴史上の人物や、当時の生活、風習、方言などが多く描かれています。特に医療の知識や歴史背景については専門家レベルの領域に達しているといっても過言ではありません。
このトークショーでは、村上もとか氏に、作品を描く際にリアリティを求める為の準備・調査がどのように行われているのかを中心にお話いただきます。
また、イベント終了後に、イベント参加者を対象に村上もとか氏のサイン会も開催いたします。
サイン会の対象書籍は、「村上もとか「JIN―仁―」、「龍―RON―」、僕は時代と人を描いてきた。」(河出書房新社)となり、当館のミュージアムショップで当日ご購入いただいた方が対象です。
日時
2023年9月16日(土)午後1時~午後2時半
会場
京都国際マンガミュージアム 1階 多目的映像ホール
料金
出演
村上もとか(マンガ家)
司会:應矢泰紀(京都国際マンガミュージアム学芸室員)
定員
150名 (先着順)
『六三四の剣』8巻カバー
1983年
©村上もとか/小学館
「六三四の剣」『週刊少年サンデー』
1981年28号
©村上もとか/小学館
『六三四の剣』24巻カバー
1985年
©村上もとか/小学館
「蠢太郎」『週刊少年サンデー』
2010年6号
©村上もとか/小学館
『龍―RON―』文庫21巻カバー
2009年
©村上もとか/小学館
「フイチン再見!」『ビッグコミックオリジナル』
2013年7号
©村上もとか/小学館
村上もとか近影
撮影:大橋 愛
村上もとか(むらかみ・もとか)
1951年、東京都世田谷区生まれ。高校卒業後、望月あきら(「サインはV!」)のアシスタントをつとめたのち、手塚治虫主宰の伝説的マンガ雑誌『COM』に作品を投稿(佳作入選)。1972年、21歳のときに『週刊少年ジャンプ』(集英社)掲載の「燃えて走れ!」でデビュー。デビューから数年間は“タイヤもの”を描いて高い画力を評価されたが、その後はクライミング、剣道、ボクシング、日中近代史、医療、少女マンガ史など、さまざまなジャンルの作品を描いて、実力派マンガ家として活躍。2011年、「JIN―仁―」で第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞など、受賞多数。マンガ家仲間と株式会社ぽけまんを結成、代表をつとめる。チャリティーオークションを開催するなど、マンガを通じての社会貢献にも力を注ぐ。
代表作:「六三四の剣」(小学館)、「龍―RON―」(小学館)「JIN―仁―」(集英社)「侠医冬馬」(集英社)
かわのいちろう
1971年、大分県生まれ。1996年に働きながら描いたマンガが小学館『週刊少年サンデー』の月例新人マンガ賞「まんがカレッジ」で佳作になり上京。村上もとかのアシスタントを始める。1998年、マンガ家「かわのいちろう」として独立。2000年『週刊少年サンデー超(スーパー)』(小学館)でデビュー後、村上もとかのアシスタントを辞める。その後は、戦国時代をテーマにした作品など、時代活劇を中心に作品の制作・作画を担当している。
2018年、『グランドジャンプ』(集英社)にて村上もとかとの共同作画による「侠医冬馬」(集英社)の連載を開始。2023年より京都芸術大学キャラクターデザイン学科マンガコースの教員をつとめる。
代表作:「隠密剣士」(集英社)「異国隠密御用 赤鴉」(リイド社)、「信長戦記」(リイド社)、「戦国SAGA 風魔風神伝」(小学館クリエイティブ)、「侠医冬馬」(集英社)
「京都国際マンガ・アニメフェア」について
関西圏企業と首都圏企業とのビジネスマッチングの場の創出、関西で優秀な若手クリエイターが育つための市場づくり、マンガアニメファン及び外国人も含めた観光客の新たな層の掘り起こしなど、関西圏のコンテンツ市場の促進を図ることを目的として毎年9月に開催される西日本最大規模のマンガ・アニメイベント。今年で12回目を迎える。
メイン会場等でのイベントや当館との共通チケット情報など詳細は、【 公式サイト 】をご確認ください。
協力:集英社、小学館、弥生美術館、横手市増田まんが美術館