本日開館

《紙芝居》12月 実演者スケジュール

。・:*:・゚★,。・:*:・゚☆紙芝居・12月口演・:*:・゚★,。・:*:・゚☆
1日 (月) せんべい
2日 (火) はるる
4日 (木) らっきょむ 
5 日(金) いちりん 
6 日(土) はるる
7 日(日) らっきょむ 
8日 (月) だんまる 
9日 (火) はるる
11日 (木) らっきょむ
12日(金) いちりん 
13日 (土) はるる
14日(日) だんまる
15日(月) いちりん 
16日 (火) はるる
18日(木) らっきょむ
19日 (金) らっきょむ
20日 (土)はるる
21日 (日) だんまる
22日 (月) いちりん 
23日 (火) はるる
25日 (木) らっきょむ
誰も知らない
知られちゃいけない
サンタさんは誰なのか

そう、これは永遠のテーマ。

こんにちは、ヤッサン一座の紙芝居らっきょむです。
僕が子どもの頃大好きだった絵本
「ノンタン!サンタクロースだよ」
そこには様々なサンタさんが登場しました。
クマくんの家にはクマサンタ
ブタくんの家にはブタサンタ

ヘビサンタ
カメサンタ
フクロウサンタ
クモサンタ
人間サンタ
魔女サンタ

そしてもちろん、ネコのノンタンにはネコサンタ

ありとあらゆる種類のサンタがいる。
どうやらそれぞれのおうちには決まったサンタがいるらしい。

フィンランドにサンタクロースの村はあるし、住所も公開されて手紙も送れる。
でもアレは世のサンタの代表でしかないっぽい。
そりゃそうだ、一晩で世界中を回るんだから。

だからきっと我が家に来てたサンタクロースも我が家担当のサンタクロース。

あれは忘れもしない小学二年生のクリスマス。
12月25日の朝、ソワソワしながら目を開けた枕元には、僕と弟への共同プレゼントという形で包み紙が置かれていた。
四角い箱じゃない、丸っこいようなゴツゴツしてるような、
手作り感のあるラッピング。

これはただ事ではないぞ…!
子ども心にわかる。
いいヤツかもしれないし、ヤバいヤツかもしれないあの感じ。

ソワソワが更に何倍にも膨れ上がりながら包み紙を開ける。
そこにあったのは誰もが知ってるあの機械。

任天堂、ファミリーコンピューター!!!

友達の家で触らせてもらって憧れてたヤツ。
僕と弟が欲しかったけど、言い出せなかったヤツ。
アイツがとうとう我が家にやって来たんだ!
僕と弟は大いに喜んだ。

新品のオモチャに付き物の四角い箱がない。
取り扱い説明書とかも一切ない。
極めつけにどことなく漂う使用感。
子ども心に何かおかしいと思いつつ、
考えたらいけない、目の前の天からの恵みをただただ喜ぶべきだ!
そう思い、一緒に包まれていた新品のプロレスゲームを弟とスイッチオンしました。

テレビにテレビ以外のものが映ってる感動。
おお!ゲームだ。
我が家にゲームが来た!
何かやたら画面が見にくいぞ!
ボタン押しても反応が悪い!
プロレスなのにリングが出て来ない!
それどころか、ずっと客席で場外乱闘しとるぞ!

今にして思えば、
サンタさんが持って来たそれは明らかに中古のファミコンで
機体が故障していた故の異常現象だったのですが、
初めてうちに来てくれたゲーム機に、我が家のサンタさんの心遣いにケチなんてつけたくない。
なにより始めて遊ぶソフトだから、これが正常か異常かなんて分からない。

誰もが初めての人生を送る中で、その家だけのクリスマスがあって、その家だけのサンタクロースがやってくる。
それが正常か異常かなんて分からない。
他人から決めつけられたくもない。
一番大切なのは、贈られた心を受け取れるかどうかだから。


僕と弟はそのプロレスゲームでしばらく客席での場外乱闘をずっと繰り広げていましたが、何かおかしいと親は察したようでした。
その後、いとこのお下がりのファミコンをもらって来てくれて、ようやく我が家のファミコンは正常化しました。
初めて客席でなくリングで闘った時、いくつもの意味で僕は二度目の感動を覚えました。


誰も知らない
知られちゃいけない
サンタさんは誰なのか。

分からないから面白い。
分かろうとするのは野暮ったい。
それでもそこはかとなく匂う、我が家のサンタさんの人間味。
だからこそその心ごと受け取りたい。

紙芝居屋もきっとそんなもの。
よく分からない存在。
だけど、確かにそこに生きてる人間味。
それを届けたいと思っています。
今年最後の寒い月、あたたかい時間となりますよう。
=らっきょむ=