文化庁委嘱事業 文化・芸術分野における海外との共同創作活動を通じたの推進 国際交流「日中マンガ文化交流フォーラム」短編マンガ共同制作ワークショップ

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第2日目(2月6日)

フォーラム2日目。ミュージアム2階の多目的研究室で自己紹介をした後、講義がスタートした。

講義内容はミュージアムの研究統括室長であり、京都精華大学助教授・吉村和真先生による「日本のマンガ市場の現状からみえるもの」というテーマ。日本のマンガ出版業界全体を知ることにより、マンガ家をめざす学生たちの将来の可能性と課題を展望しようというものだ。

日本のマンガ雑誌に関するデータ資料を元に、情報を様々な角度から分析することにより、新たにわかってくることがあることを教わる。「日本のマンガの現状をベースに、同じ現象でも視点を変えると異なる側面が浮かび上がってくるということを、学問として知ってもらいたい」(吉村先生)。

マンガ家は描くだけではなく、業界の現状把握とデータや資料の生かし方を知ることも大切だと気付かされた講義だった。


視察ツアー

〔株式会社亀田富染工場〕

午後は取材をかねて視察ツアーに出発。一件目は京都市右京区にある株式会社亀田富染工場へ。ここは伝統的な京友禅染めの技法を使い、「パゴン」というブランドの京友禅アロハシャツとカットソーなどを製造する工房だ。社長さん自らに工房を案内していただき、昔ながらの手染めによる技術を見学させていただいた。

中国の女子学生は「染め方などが日本独特で中国とは全く違う。花柄など似ているものもあるが、中国の文様には人物が出てくることはないので、そこが興味深い。帰国したら中国の伝統的な物・・・例えば紙切りなどを見直して作品に取り入れてみたい」と、作品のアイディアが早速浮かんだ様子だ。

〔海洋堂フィギュアミュージアム黒壁〕

二件目は、ひたすらバスを走らせ滋賀県長浜市へ。ここはチョコエッグをはじめ「食玩(お菓子のおまけ)ブーム」を巻き起こした海洋堂の博物館。海洋堂の精密なデッサンと彩色は素晴らしく、動物シリーズなどは、マニアの間だけでなくOLやサラリーマンの間でも一大人気となった。同館では、それらの玩具を使いジオラマを制作・展示している。

日本に留学している中国人の男子学生は「中国でも『食玩』は買ったことがあるが、今回は驚いた。しかし、『食玩』のほとんどは中国で製造されており、中国オリジナルのものを作ったらビジネスチャンスがあるのでは」と、こちらもアイディアがひらめいたようだ。

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