文化庁委嘱事業 文化・芸術分野における海外との共同創作活動を通じたの推進 国際交流「日中マンガ文化交流フォーラム」短編マンガ共同制作ワークショップ

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▲ 日本版「ドラえもん」の解説。

▲ 真剣に聴き入る中国側の学生たち。

第4日目(2月8日)

4日目の講義は、主に明治時代等の古いマンガを研究している、ミュージアム研究員の表智之先生が講師。

スイス、タイ、中国など世界各国で出版されているマンガをプロジェクターで紹介しながら、国によるマンガの違いを紹介。

例えば日本で制作されるマンガは、その大体が縦書きで、右から読み進むタイプだが、海外で出版されるマンガは横書きで左開きが主流。また未成年が読むのにふさわしくない作品には表示を付けたり、日本では掲載可能な表現でも、宗教観などからタブーとする国もある例を紹介。

このように世界各国で出版されているマンガを、「様々な角度から比較することで、その国の文化を理解する資料にもなります」と表先生。そういう意味でも今回、日中のマンガを描く人たちが交流するのは、意義がありそうだ。

▲ 今回の授業で紹介されたマンガの一部。

▲ 講義終了後、 紹介されたマンガを
手にとって見る学生や先生たち。

▲ 日本の学生。「紙に描く時は、軽くラフを描いてからペンを入れるが、パソコンで描くときは、いきなり描くことが多い」という。

▲ 中国の学生。今は下書き中。

【オンラインマンガ班】

制作が2日目に入ると、2国の作品に違いが現れ始めた。
もちろん2日半で仕上げるという時間的な問題もあるが、日本の学生たちが簡略的で大胆に描いていくのに対し、上海の学生たちは紙に描くのと同様に、まず薄い色でアタリを付けてから、黒で本番の線を描いていくのが面白い。

日本と中国の両方でマンガを学んだ中国出身の学生に聞くと、日本では先にマンガを学んでからデッサンを学ぶスタイルが中心だが、中国ではデッサンをしっかり行ってから、マンガを学ぶ。それは良いことだが、一方でデフォルメをどこまで行うか等、学生には戸惑いがあるのだという。また「中国では美しく写実的な絵が好まれているというのも一因ですね」。こんな所にも日中のマンガ文化の違いが現れている。

【ストーリーマンガ班】

着々と完成に向かって進んでいるストーリーマンガ班。今日も指導の劉先生が各人を回って、的確なアドバイスをする。

明日はいよいよ合評。夜8時近くまで居残り制作が続けられた。

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