日中マンガ文化交流プログラム
1月21日(金):1日目
今回の日中マンガ文化交流プログラムは、中国の上海電視大学より、教員・職員・学生の総勢8名が、来日した。
プログラムの1日目は、今回のプログラムのメイン会場となる京都国際マンガミュージアムの見学からスタートした。上海電視大学の学生は、ミュージアムに所蔵されているマンガの量に驚き、またミュージアムの展示の中でも、日本独自の「紙芝居」には、大きな関心を寄せていた。またミュージアムの地下に所蔵されているマンガ週刊誌については、国際マンガ研究センターの伊藤遊研究員が「マンガミュージアムは原画ではなく、刷られたマンガ週刊誌を収集している。そこには、広告やプレゼントのページなどがあり、どれだけマンガがその時代と密接繋がっているかが理解できる」と解説すると、上海電視大学の教員は、「日本はマンガが文化としてだけでなく、学問として体系的にしっかり確立しているのが、素晴らしい」と息をのんでいた。
続いて、ミュージアム3階の研究室にて、「CGアニメーション班」と「手書き漫画班」の2グループに分かれて、2日間に渡るワークショップがスタート。デジタルとアナログという対照的なプログラムが用意された。
今回は、「RETAS studio」という日本のアニメーション会社でも使用しているソフトを使い、一枚のベースとなる画をもとに、動きをつけていくアニメーション制作を行った。CG班の講師である国際マンガ研究センターの應矢泰紀研究員と武内舞利子研究員は、「日本の最先端のアニメの作り方を学んでもらい、将来、アニメーション制作の会社で働くなど、自分のキャリアに役立ててほしい」と伝えた。
ワークショップでは、講師の手本を見て、同じものを作りながら、ソフトの使い方の勉強をしていく。手書きのキャラクターをパソコンにスキャンし、ペンタブでトレースした後、キャラクターの目や口、髪などそれぞれ動かしたいパーツを個別に描いていく。それらを時間軸を表すチャートに配置し、それぞれのパーツを動かすタイミングを入力していく。「描く手法は違うが、レイヤー構造でできていることから、CGでのアニメーション制作を学ぶことで、同時に伝統的なセルのアニメ制作の原理も学ぶことができる。」と應矢研究員。
手書き漫画班は、「日本のイメージとリアル」をテーマに、来日する前の日本のイメージと、実際に日本に来て感じたことや驚き、ギャップなどの体験談を一枚のマンガに。最初に講師である久保直子先生、野田陽子先生が昨年、上海に行った際の体験談をもとに描いた見本を見せながら、それぞれのプロット制作を一緒に行った。そこから下書きとなるネームを描き、ペン入れをしていった。