日中マンガ文化交流プログラム
1月26日(水):6日目
最終日となる6日目のプログラムは、「京都マンガMAPめぐり」と題して、マンガ、アニメに関連深いロケーションを視察した。移動中のバスの中では、それぞれの場所に向かう前に、京都精華大学のスタッフからロケーションに関連深いマンガ、アニメの解説が行われた。
1件目は、京都の南に位置する宇治にある源氏物語ミュージアム。「源氏物語」の五十四帖のうち最後の十帖の舞台となった宇治十帖をテーマにした展示や平安時代の文化を親しむことができるミュージアムである。中国でも知られる「源氏物語」の理解を深めると同時に、日本の華やかな歴史の一部を体験した。
2件目は、坂本龍馬が伏見奉行所役人に襲撃をされた事件で有名な「寺田屋」を中心とする伏見界隈を散策。京都の中でも、多くの歴史資産を有し、また月桂冠や黄桜などの大きな酒蔵がある伏見は、連日、京都の街中で過ごしていた参加者の目には、新鮮に映ったようだ。
3件目となる「ヴォークス」社は、国内でも有数のフィギュア製造の会社であり、参加者はロビーに展示されたアニメや映画、ゲームの鮮やかに色彩されたフィギュアを写真におさめていた。ロビーの奥にある2階建てのショップを周り、フィギュアだけでなく鉄道や飛行機の模型を見て、参加者からは「日本の技術の高さを実感しました。中国では、どれだけ頑張っても、ここにあるフィギュアのクオリティは実現できないと思う。こういうところにも、日本のアニメ、マンガの最先端を走っていることがわかる」との感想があがった。
視察の最後となる晴明神社は、もっとも参加者が感心を示し、「陰陽師」という物語が、中国にも広く知られていることが伺えた。またちょうど、お祓いが行われており、参加者は長い時間、日本の神事を食い入るように見ていた。
ローケション視察で締めくくった6日間のプログラムは、技術的なワークショップ、多角的・立体的に視点での講義など、中国からの参加者にとっては有意義な時間であったことに違いない。そして今回のプログラムで、マンガを通してのますます日中の文化交流が深まって行くであろう。