日中マンガ文化交流プログラム
1月24日(月):4日目
午前
4日目は、ミュージアムのメイン展示会場にて、伊藤研究員による日本のマンガを歴史、ジャンル、ビジネスなど多角的な視点から考察する講義が行われた。11に分かれた展示の中でも参加者が日中との差を感じていた展示が、読者層によってターゲッティングされた日本のマンガ雑誌の豊富さである。また今回、来日していた学生の中には、マンガ・アニメにおけるビジネス、マネジメントを専攻している学生もおり、効率よく「商品」として生産される日本のマンガにおける共同作業システムやマンガ家の収入についての展示には、大きな関心を寄せていた。「この講義を通して、日本のマンガを理解してもらい、未来の中国のマンガに活かしてもらい」と、伊藤研究員。
午後
午後からは、ミュージアム3階の研究室にて、京都精華大学マンガ学部准教授の吉村和真先生による「現在日本のマンガ環境~子どもとマンガの関係を中心に~」というテーマで講義が行われた。「ワンコンテンツ・マルチユース」型のメディアミックスで成功を収めている日本のマンガ市場は、子どもが母国語を学ぶように、マンガのキャラクターがいる生活空間を当然に成立させ、マンガの読み方は文字を読むように身につけさせ、そしてマンガ表現が子どもの心的影響を及ぼしていると、実際の子ども向けのマンガ雑誌を例にとりながら解説。
吉村先生は、「ミュージアムの研究の一端を理解してもらえたと思う。これはあくまでも日本の例であり、中国をはじめ海外ではもっとマンガとの関係がある。このような交流は、海外の事情も知る事ができ、お互いにとってとてもよいことであるから、今後も続けていきたい」としめくくった。